第4話 ウキキ!?
「ウキキー!!」
「ンキーキキ!!」
「フォウフォウフォキェー!! キキーキ!!」
猿人間達は次々と二階である窓の外から這い登って教室へ侵入していく。
「きゃああああ! やめてえぇぇぇ! 助けてえぇぇぇ!」
「ウキャ!! ウキャ!!」
「いやああああ! 来ないでえええええ!」
「ウキゥキャキー!! キーキャキャフォキャキェウオキー!!」
猿人間は次々と女子生徒へ狙いを定めたように襲いかかり、力で押さえ込んでいく。
「う、うわあああああああ!? 助けてくれ! 俺だけでも助けてくれええええ!」
一目散に逃げ出した担任は脱兎の如く教室から逃げていく。
「ウオェ!!」
「「キキー!!」」
逃げていった担任の後を追うように二匹の猿人間が追いかけていった。教室は泣き叫び服を力ずくで破かれていく女子生徒達の声が木霊していた。
「や、やめろおおおおおお!」
ここで、女子生徒に人気な高身長バスケ部の男子の1人が女子生徒達を助ける為、覆い被さる猿の一匹の後頭部へ拳を叩き込んだ。ゴンという音と同時に猿人間の頭が赤べこのように揺れた。
殴られた猿人間はキョトンとした表情で男子生徒を見ていたが、やがて顔を更に真っ赤にさせ犬歯を剥き出し怒りをあらわにする。
「キッ!!」
怒る猿人間は女子生徒を押さえつけながら、男子生徒へ軽いジャブを食らわす。
「ぐあはぁッ!?」
バスケ部男子は宙を飛び後ろの壁まで吹き飛ばされ激突する。男子生徒は剥がれたチラシのように力無くその場で崩れ落ちると周り生徒達の顔がみるみる青ざめ叫び声を上げていった。
絶望。
今、この教室は突然起きた異常事態を誰も飲み込めず、力でなぶられ、陵辱されようとしていた。
「ギャハハハ! 愚かで可哀想な人間ども、せいぜい逃げ惑って猿の子供を身籠らないように気をつけな!」
「おい、リリス!」
高笑いをしながらいつの間にか教卓の上で仁王立ちするリリ。それを見つけたアクトが彼女へ駆け寄ろうとする。
「そこは危ない! 早く降りろ!」
「お前もそんなこと言ってる場合? ずいぶん余裕じゃんアクト君」
クスクスと笑うリリ。
「悪魔契約で、おバカなお前はアタシに命を差し出さなければならない。今日は何か調子悪いけど、今から皆の前で殺してやんよ! アタシ、結構ドSだから男が悲痛に叫ぶ声を聞くの大好きなの! さあ四肢を一本一本引き抜いて――」
「そんなことより早く降りろ! 危な――」
リリが構え、アクトが叫んだ瞬間。
彼女の足元に複数匹の猿人間がまとわりついてきた。
「ウキウキ」
「ウキキ!」
「え? お、おい! 何やってんだ猿ども! アタシはお前らを作った元凶――ってうわー!」
言い終わる前に猿達が教卓から引きずり下ろされたリリは床へ尻餅つき猿人間に取り込まれる。
「ウッキッキ」
「バカ! やめろ放せ!」
必死に暴れるリリだが、猿はいつの間にか増え4人がかりでリリを拘束する。
ニタニタしながら床に彼女を押さえつけ、虫の脚が波打つような気持ちの悪い指使いで彼女の身体の上をモゾモゾと触りだす!
「バ、バカ! 放せ! ひぃ!? キモイからやめろおおおお! 犯される! 猿の子供を身籠る!」
今までの威勢は何処へいったのか、必死に振り払おうとするリリだが、なす統べなく猿達に身体を這いまわられていた。
その時だった。
「力が……ほしいか?」
リリが目を見開くと、ニヤつく猿達の間から黒いパーカーにフードを被ったよく知る謎の男が見下ろしていた。
「アクト何見てんだよ! 良いから助けろよおおおおおお!」
「口振りから、お前が召喚した従属かと思っていたが違うんだな?」
「半分合ってるけど違うんだよおおおおおお! ウチの力の片鱗なのに制御出来ないぃぃぃぃひ! 力がさっきから出ないし何か変で!」
「力を……かしてほしいか?」
「アアアアアウッセ! 力をかしてほしい! いいから助けろおおおおおお!」
リリのピンチに悠長なやり取りをさせるアクト、いやデビルサモナーマスターアクトは怪しくほくそ笑み2枚のシールを取り出す。
「これより我が血の命による契約――」
彼の腕が猿達の隙間を通り、
「成立だああああああ!」
リリの2つの胸へ何かうまい具合に貼り付く。その途端彼女の胸は震えだし服ごと彼女よりも大きく拡大された。
「「「「ギャッ!?」」」」
取り囲んでいた猿達はエアバッグに押されるように四方へ吹き飛ばされた。
「良し! 今技名を思いついた。スキル
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