第21話 続古詩十首 其の二

掩淚別鄉里 飄颻將遠行

茫茫綠野中 春盡孤客情

驅馬上丘壠 高低路不平

風吹棠棃花 啼鳥時一聲

古墓何代人 不知姓與名

化作路傍土 年年春草生

感彼忽自悟 今我何營營


なみだ ぬぐって ふるさとたって

このはの ような たびにでた

あては なくとも ののくさみどり

はるゆくのなかを ああひとり


うまを せかして おかのうえ

たいらな みちが どこにある

かぜに ふかれた やまなしの

はなに ひとこえ とりがなく


ふるい はかいし みちばたごろり

いつの ひとだか なもよめぬ

みちの はずれで ただつちくれと

なりて いちめん れんげそう


うきよにひさしき ものやある

ひとに うまれて なにをする



【ひとこと】

※曲つけようとしてる。曲がないなら

「あてはなくとも」→「あてはなくても」じゃないかな。

→曲をつけて歌ってきました。聴いてくれた方々、本当にありがとうございました。



「アプリ版の殺無生さまの武器名に「啼鳥」と入っている」そう言われては調べないわけにいかない。←追記「念白にも入ってる」ナンダッテ!?

←追加 え、念白の元ネタこれじゃん(確信)


これは2023年5月6日に知ってワンドロして、そこから推敲開始したもの。


ええ、もちろんいつもの如く超訳のアクロバットなので、元の詩がなんといっているか知りたい方は他の資料を見てくださいね。


◯木の葉のような せめて「木の葉のように」だと思う方は新釈漢文大系、「遠行」を落としているのが気になる方は岩波を読むと幸せになれると思います!ぜひぜひ。元ネタを読んでくれる人がいることこそ我が幸せ。これに触発されて作り出す人がいることが我が幸せ。枕草子や走れメロスでパロディを作るように、歌いたいことを歌おう。

◯やまなし 4〜5月に白い花を咲かせるらしい。

●丘壟 小高い丘、もしくは墳墓。←古詩十九首の其の十五を追って確認する予定。




[1]岡村繁『新釈漢文大系97 白氏文集 一』明治書院、2017年 333ページ

[2]川合康三『白楽天詩選(上)』岩波文庫、2011年


【自分用のメモ】

推敲が進む前のワンドロについてのメモ。


●感彼忽自悟 「これらに感じて私は忽として悟った」ということだと理解した。ところで私(これを書いてる人)は「悟らでか」としたかったんだけどさ、そういう言い回しありますか?「やらいでか」「いかでか」みたいに「悟らずにいられようか、いやいられない」と言いたい。もとのは反語表現じゃないだろって? これは趣味なので、これは試験ではないので、私が歌いたいことを歌いたい。そういう意味でこれは訳詩ではなく感想文ですね。

●今我何營營 「故にあくせくして何になろうか(楽しく生きよう)」と白居易は言いたいんだろうけど、私はそうではなく、「故に生きているうちに遂げずにいられようか(絶対に遂げてみせる)」と歌いたい。白居易そんなこと一言も言ってないけどさ?あくせくしてどうするのかという問いが示唆する「余裕を持て」は、決意とも同居すると思うの。私は私の歌いたいことを歌いたい……。誓いって歌うか、想いって歌うか、それは迷いますね。


涙拭って故郷ふるさとって

木葉このはのような旅に出た

当てはなくても野原はみどり

見渡す春に 我ひとり


馬を走らせ丘の上

平らな道が何処にある

風に吹かれたやまなしの

花に一聲ひとこえ 鳥が啼く


何時いつの誰やら 土塊と

なって苔むす 無縁墓むえんばか

悟らでいようか 行く末を

何をあくせくしてるかと


ーー

悟った 己の行く末を

思った 己の在り方を

ーー

いつのじだいを いきたのだろう

ふるびたはかは なもつげぬ

みちのはずれで ただつちくれと

なりていちめん れんげそう


↑こうするなら

「なりていちめん」→「なりてがんかは」にしたくない?何度も考えて何度も却下してる、つらい。眼下ってひらがな表記無理じゃない?つらい。眼下って言いたい。言えない。つらい。丘の下に広がってて欲しい。絵が……絵がぁ……。

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