第14話 白居易〈醉中對紅葉〉
おきな おきな あかい おきな
あきの かぜに きぎは ざわわ
あさに くんで じじぃ グビリ
よった かおは まるで シモハ
あかい もみじ はるは はるか
白居易〈醉中對紅葉〉
臨風杪秋樹
対酒長年人
酔貌如霜葉
雖紅不是春
白居易の「理屈っぽいダジャレ」が好きです。[1]を参考に風樹の嘆(親孝行したい時には親はなし)を混ぜつつ、顔は赤いが紅顔の美少年(劉希夷〈代悲白頭翁〉)ではないという白楽天四十七歳の自虐ネタと理解。二十文字にどこまで盛り込むんだという詩に負けじと応戦してみたのがこれ。
森鴎外「野薔薇(GOETHE)」(野薔薇 野薔薇 赤き 野薔薇)の3文字のリズムにTHE BOOM「さとうきび畑」(作詞:寺島尚彦)(ざわわ ざわわ ざわわ)を盛り込み、卯酒の人(白楽天のこと)に合わせ朝に設定。絶句が相手だからと一二四句で押韻(頭韻ア)! だけど今作は二四句(人と春)で押韻らしい……そんなぁ。
(ひらがな苦手な人向け)
秋の風に樹々はざわわ
朝に酌んでじじぃグビリ
酔った顔はまるで霜葉
赤い
[1]串田久治・諸田龍美 著『漢詩酔談 : 酒を語り、詩に酔う』大修館書店、二〇一五年
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