第8話 白居易〈対酒〉

白楽天の対酒、歌って楽しいように少し変えてみたよ〜


蝸牛角上爭何事

石火光中寄此身

隨富隨貧且歡樂

不開口笑是癡人


①おたまじゃくしはカエルの子♪で

蝸角かかく争うカイのなさ

人のショウガイ石の火よ

大金持ちも文無しも

笑え、さもなきゃタダの阿呆


②うれしいひなまつり♪で

蝸角争う甲斐のなさ

石火短き生涯よ

大金持ちも文無しも

笑わにゃおんなじ痴人ちじん


【ひとこと】

 掛け言葉や関連する言葉として

貝…蝸(かたつむり。要するに巻貝)、カイ、ガイ。

お金…大金持ち、文無し、タダ(要するに無料)。

蝸角はカカクで価格でお金。この辺をイメージしてつくってるんだけど、無理があるという人もいそうな気がする。


 人は何を聞いて(どの要素を拾って)響きが似ていると思うのか?という話が面白い。

 歌う時はこの辺が響きに効いてると思う(カタカナが効くところ)(異論は認める、というかこの話すごく奥深くて面白いね!?)。

子音系:①カカク、カイ、ガイ。ヒト、ヒヨ。モち、モん。②カカク、カイ、みじカキ、ガイ。モンナシ、オンナジ。

母音系:①②持ちも、なしものOIO。


 歌詞ではなく七五調の詩として見たときは

蝸角、争う、が似た響きと思う(蝸角は価格と同じ発音と想定)。


 響きについて、私が詩を作るとき、なんとなく自分の中で点数がある気がしている。数字にするのは初めてで、なんとなくしっくりこないけど叩き台として書いておく。

 イメージだけど……ひらがなにしたときに同じ文字なら3点、カとガ・シとジ・ハとファみたいな関係なら2点、子音だけなら1.5点、母音だけなら1点……距離が近いとコンボが決まってさらに加点。離れると稼いだ点数が下がっていってコンボが決まりにくくなる。ただしはじめに密度あげて点数稼いでおけば少し距離が空いても大丈夫。

 つまりカカクは+3点、カイが続いて+3点、カイのあとガイまで距離があくけど助走つけたからセーフの範囲で、2+3だから+5点、とか多分そんな感じ。


七五で繋げていくとき

 ①7→②5

 ③7→④5

の中で②は①と、③は①と②と、④は③と②と関係がある。意味はもちろんだけど音も繋がっている方が楽しい。


 有名な歌の例だと、例えば

「①みカン、きんカン ②さけのカン」で①②でコンボきめて点数稼いだら「③よめごもたせにゃ④はたらカン」と③でカ行の音もンの音もなくたって④のカンまで(10文字も開くのに!)耐えられるみたいな感じ。


 重音節とか軽音節とかって考え方があることを知ったんだけど、私はもともと短歌から入ったせいかその辺はよく分からない。いまも方眼紙の一マスに一音(「しょ」は一マス)で叩き台作ってから推敲かける作り方なのでそんなイメージ。

 あー、書いてて思ったけど、七五の頭の音で揃うなら2点、末尾なら1点かもしれない……? うーん、どうだろう自分でもよく分からないや。

 末尾で響かせ過ぎるとチャラくなるから、そういうのは避ける。これは単純な好みの話だけど、私にとってはチャラいよりはおカタイ方がマシ。「荒城の月」とか「箱根八里」とか好きですね。でも私が言葉の響きは柔らかくなりがちなので、勇ましさには遠い気がする……

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