第5.5話 蘇子卿〈梅花落〉のこぼれ話

蘇子卿〈梅花落〉の訳詩が定まらない。

つまりは知識と解釈と語彙が足りない。

夢に見ること二日連続N回目。

安眠のために書く。

(だれか資料をください)


「只言花似雪」あるいは「祇言花是雪」とはどう言うことか。誰の発話か。まるで分からない。

閨怨であるから全体は女が詠んだ(というテイの)詩だが、三日目「只言」の話者は?「花」は何の暗喩?「梅花落」という楽府をいくつか読めば傾向がわかったりするんだろうか……?


蘇子卿〈梅花落〉 

(1)中庭一樹梅

(2)寒多葉未開

(3)只言花是雪


(4)不悟有香来


  梅花落

 (1)中庭にぽつり梅の樹

 (2)葉なしの枝は寒続き

  5775


(3)(4)について

A-1案

 「花と雪よく似てますね」

 だって香ってこないもの

→(3)の話者は女。梅に寄せて暗に男を責める。溜息深めの女。


A-2案

 「花と雪よく似てますね」

 香ってきてとおもうのに

→おきゃんマシマシ。閨怨の定型女ならこっちか?


B-1案

 「咲きました?」「いいえ雪です」

 そうね香ってこないもの。

→(3)のメインの話者は女ではない。「花是雪」いわば「花に見えるあれは雪です」とだけ言う男。あるいは擬人化された梅そのもの。心あてに折らばや折らむ……


B-2案

 「咲きました?」「あれは雪です」

 そうね香ってこないもの。

→もっとピシャ!っとしたもの。取りつく島なし。


C-1案

 もしかして花ではないの雪だから

 ここまで香ってこないというの

→「不悟有香来」が「悟有香不来」でないことにフォーカスしたもの。57577


C-2案

 あなたまで雪だというの

 だから香ってこないというの

→花と男を重ねて。女の感情つよめに。


C-3案

 花はいう「これは雪です」

 だから香ってこないというの

→シンプルに。5777




書いたぞ!来たれ安眠!

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