第17話 A{0,2} 紋様の確認
――TIMES_A{0,2}――
2024年9月23日(月)
いつものように学校に来た。
今日は対面授業のある日だ。
前回の月曜日とまったく、同じ授業。
同じ授業を2度受けるというのは、オンライン授業の映像を見ている感覚に近い。
シークバーを使って巻き戻せないのが不便だと、感じる……。
なんにせよ、一度受けた授業だ。
前回より深く理解することができる。
同じ授業を2度受けるということにも意味があるようだ……。
うーん、いや、やっぱり、オンライン授業を受けながら、分からない地点にシークバーで戻せるほうが便利なので、同じ対面授業を2度受けることって意味ないのかな……??
対面授業自体が効果的な人とそうじゃない人がいる。
大勢で授業を受けるという行為そのものが効果的な人もいるのだろう。
私は比較的なんでも一人でこなすことを
なので、私にはオンラインでかつ、すでに動画として出来上がったモノ、ライブでは無いもので授業を受ける方が効率的だ。
色々な人がいるからバランスよく配合したカリキュラムなんだろう。
まぁ、結局私にとっての対面のライブの授業は授業を受けないこと――まったく何もしないよりはましだけど、もっと時間効率のいいことはあるってことかな。
あれ、ていうかよく考えたら、対面授業はライブ形態しか存在しないのか。
まぁ、どうでもいいや。
さて、これ以上、今はこのことについて深く考えてもしょうがないか。
14:10にアラームが鳴る。
5時間目の終了とともにまたアラームが鳴ってしまった。
軽く先生に注意される。
同じ失敗をまたしてしまうとは。
アラームは切っておかないと。
なんとかごまかし、14:20に2日前にタイムリープしようと試みるが、やはり失敗。
まぁ、無理だろうと思っていた。
できる感じが全然しないし……。
――TIMES_A{0,2}――
2024年9月23日(月) 16:05
放課後、寮の自分の部屋に戻ってきて考え事をしてしまう。
まったく同じ状況を味わうという体験を学校にいる時に味わったからだ。
色々考えさせられる……。
人が味わったことの無い体験をこれからもしていくのだろう。
もっと考えないといけない……。
アニメの主人公とかは何も考えずに行動が出来て羨ましくもあるが、私は先に考えるという選択を取ろう。
先に考える人がプロメテウスで、後で考える人がエピメテウスだっけ。
これ、誰から聞いたんだっけ。
まぁ、私はプロメテウスになりたい。
というか、何か大事なことを忘れている気がする。
なんだっけ。
大事なことを忘れるなんて何も考えて無いのと一緒だ。
何も考えてないアニメの主人公と、私もそう大差ないな。
えっと……。
そうだ、このタイムリープはそもそも何回できるのか。
えっと、サムが言ってたような。
そうだ、私の体にある紋様……,。
というかこれ数字だったんだ。
服を脱ぎ腕から体に巻きつくように刻まれている紋様を見る。
背中に掛けてその紋様は刻まれているので、服を脱ぎスマホで自分の体を
えっと、サムが言ってたのは、秒の二乗。
一週間をタイムリープする場合は、1週間を秒換算して、それを二乗。
1分が60秒で、1時間が60分で、3600秒で、1日が86400秒で1週間が604,8800……。
604,800
12桁の数字か。
腕に巻き付くように肩を通り前えと続き、わきの下の少し下を通り、背中へと続く数字の列……。
これ、崩れた数字だったんだ……。
ずっと数字じゃなくて蛇みたいな絵だと思っていた……。
しかも柄の変わる……。
えっと、それでこの数字が動画を確認したところ、36桁だから、ざっと計算して1週間をタイムリープすることは少なくても24桁の数字回できるってことよね?
天文学的な数字だから、さすがに、回数を気にしないで大丈夫なのではと思う。
そうするとなると……、これから私はこの1週間を何度も繰り返すことになる。
そうする予定だ。
そもそも何故この能力を使うのか……。
そのことも念の為に自問してみる。
何か問題が起きた時のためにこの能力を鍛えておきたいからだ。
そういえば、サムがこんなことを言っていた。
『そう、そして、このアビリティを使いこなすのは困難みたいだね。
困難な理由として、タイムリープ後の記憶が保てないことがあると読み取れる。
特に、タイムリープに関することの記憶が。
一種の、宇宙を守るためのセーフティのようだ。
保険制御のブレイク
どうせ、数値的にそんなに使えないのに、慎重すぎる処理設計のようだ。
まぁ、どの程度記憶が保てないのかは、試してみるしかないようだ。
どの程度失われるかは、そこまでは詳しく記載されておらず、読み取れないね。
だけど、何度も使いこなして行くと、『記憶の失われ方が低減』していく可能性があると記載があるね。
情報ソースは非常に少ないがね。
さらに、その少ない情報ソースを読み取り、分析すると、このアビリティもスキルと同じで使えば使うほど、人間の能力と同じように伸びるであろうことが読み取れる。
まぁ、さきほども言ったけど、魔法少女のスキルは使えば使うほど、人間の能力と同じように伸びる。
アビリティも同様だということが読み取れる。
使用者はそのように語っていたとの記述が読み取れる。
ざっくりと纏めると試行して慣れろという感じのアビリティのようだ。
そのように類推できる』
サムの
この能力は誰がどう考えても有用な能力だと思われる。
使いこなせれば私の正義を遂行することに、とても役に立つだろう。
もしかしたら、とても熟練したら、もっと短い時間をタイムリープして、戦闘にも使えるかもしれない。
今のところはそんなに強いエグゼキューショナーと戦ってないが、とても強いエグゼキューショナーが現れるかもしれない。
そんな時に、戦闘で役に立つスキルの種類が多ければ有利である。
エグゼキューショナーを倒し、私の正義を遂行する為には必要であろう。
考えが纏まった。
これからの生活の指針が把握できた。
さて今日はこれからどうしようか。
エグゼキューショナーを探そう。
今まで探したことがないところを探そう。
やる気が出てきた。
もっと多く人々を救うことができるかもしれない。
そんな感じで月曜日は過ごした。
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