第十七話「消えゆく命」
「これなんかはどうっスか? 可憐な感じでクゥに似合うと思うっスよ?」
「明らかに子供用の服を見せられてものお。
だいたい、わらわはこれで十分だといっておるであろう」
某アパレルショップで、妙にフリフリした桃色のワンピースを見繕う咲とそれに反発するクゥ。今日何度目も見た光景だ。
見てる分には微笑ましいんだけど、30分もたつとさすがに飽きてきた。
「ねえ、司ーー」
「ほう、これはなかなか……」
司に声をかけようとして、やめる。司もまた髑髏のストラップやらを真剣な様子で吟味していたから。
……中二病も完治したわけじゃなかったんだね。
そんな生温かい視線を向けながら店の外に出る。
「僕の気持ちがわかるのは、ムラサキだけだよ」
外で警戒していて、同じ思い抱いているはずの相棒に声をかける。
しかしムラサキもまた物欲しそうに服をみつめていた。
まじか。
その巨体で着れる服なんてないし、僕は裁縫なんてできない。咲たちに聞いてみるしかない、かな。
名古屋市の境界を越え、とうとう市内へと入る。
あそこで予想以上に時間をとられてしまったので、急ぎ足での行軍だ。咲のスキルと式神のおかげで、今のところモンスターを避けることができていた。
「それじゃ一応周囲を探ってみるっスね」
「うん、よろしくね」
咲が『マップ』を発動させる。即座に一面に広がっていく瘴気。
一分間、周囲50mの地図とその範囲にいる(モンスター含む)あらゆる生き物の位置を脳内に表示させる、それがスキルの効果だった。
因みにステータスはこんな感じに表示されており、今日は『マップ』スキルを後使えるらしい。
『千嶋 咲』 職業:『旅人』Lv.5
スキル:『マップ』Lv.1 …4/10
新しいスキルは職業レベルを特定の値まで上げることで覚えられる。スキルのレベルはそのスキルを使い続けていると上がっていき、能力や使用可能回数が向上していく。また回数はスキル個々でのカウントで、丁度日付が切り替わるタイミングでリセットされる。
ということだった。
……本当にゲームみたいなシステムだ。
「お、近くに反応――複数の青色っス!」
「まじかっ!」
咲の言葉に司が歓声を上げる。
青色、つまりは生きている人がいるということだ。地図上にはモンスターが赤色、人が青色、それ以外が黄色の点で表示されているらしい。
そしてこれが咲たちと合流してから初めての生存者との遭遇だった。テンションが上がらないはずがない。市役所のことといい、良い方向に転がっている気がする。
ただ、喜んでばかりはいられないのが現状だ。
「反応は近い?
できれば接触する前にどんな感じかだけでも知りたい」
「向こうの道から、あそこを通ってこっち側に進んできてるっス。
式神の方では見えてないスか?」
「ちょっと待ってね……うん、見つけた」
咲が指さした右前方の建物の間(丁度死角になっていたようだ)の上空まで式神を飛ばすと、こちらに向かう数人の集団を確認できた。彼のように体が瘴気で見えないなんてことはない。
「五、いや六人の男女かな、一人は背負われてる。
僕の見立てでは普通の人たちに見えるけど……どうする? 一度隠れて様子を見てみるのも手だと思うよ」
「いや、オレたちにはなんのやましいところもないんだ。堂々としていようぜ。
咲と同じようなスキルを持ってる可能性もあるし、下手に警戒されたくない」
「っスね。それじゃあそもそも向こうに気付いてない感じで」
「了解。一応、先制攻撃される準備はしておくよ」
「うむ、わらわの力で逃げる時間程度は稼いでみせるのじゃ」
「おー頼もしい限りっス。私は戦闘面では無力っスから」
「お主はまず自分の心配をせい。わらわは知っておるぞ、お主の大根役者ぶりを」
「い、いや、そんなことないっスよ。普段通りの演技も完璧っス。
……あ、あー良い天気っすね?」
ウエストポーチの式神に霊気を込める傍らで、わちゃわちゃといつものを繰り広げる二人。心なしか前を行くムラサキも呆れてる気がする。
……まあ、これくらい緩い方が警戒されにくいかもしれない。
僕らはその間に何が起きても対処ができるようにしておこう。そんな思いを込めて司を見ると大きく頷いてくれた。
そんなこんなでゆっくりと歩くこと数秒、彼らが道に到達する。
ひょこりと一人の男性が顔をのぞかせ僕らと目があった。
「だ、誰!?」
いかにも今気づいたというように狼狽する声を上げる。
すぐに男性は小道に引っ込むと、話し声の後ゆっくりとその姿を現した。
「すまない、私たちも警戒していてね。驚かせてしまった。
そこのモンスターは平気なのかい?」
「はい、僕らの仲間です。ね、ムラサキ?」
僕が撫ででやると頭を摺り寄せてくる。
その姿に安心できたのか、恐る恐るといった感じで男を先頭にぞろぞろと出てきた六人。
社会人然とした集団の中には三歳くらいの少女の姿もあった。
「そうだね、謝罪がてらこちらから自己紹介しようか。
私の名前は霧島 勇喜夫。一応彼らの上司にあたる」
と先ほどまで話していた、初老の男性。目じりのしわと温和な表情が印象的だ。
「モンスターを仲間にするとはすごいな、君たち。
僕は山里 孝二。これでも24歳で社会人二年目だ。多分君たちとそこまで変わらないんじゃないかな」
と短髪の爽やかな青年。なんというか、いかにも出来る若手といった感じだ。
「私は梅津 奈子よ。まあよろしく」
と20歳後半くらいの女性。つり目と硬い表情がきつそうな印象を醸し出してる。
「……久留島 剛。柔道をやっていた」
とガタイが良く寡黙な男性。多分30歳くらいだろう。意識がない女性を背負っている。
乱暴されている様子はない。ただ……。
大人たちの紹介は背中の女性を除き終わり、僕らの視線は久留島さんの横に所在なさげに佇む一人の少女に集まった。
少女はふらふらと視線をさまよわせると、不思議そうに舌足らずな口を動かす。
「え、と、ひな。さんさい。よろしくなの?」
「うん、えらいね陽菜君。
それで久留島君に背負われてる彼女が三井田 晴香君。陽菜君の母親だ。
……見ての通り彼女は体が良くなくてね。
つかぬことをきくが、君たちの中に治療系のスキルや薬を持っている人はいないかい? 私たちは彼女を治すために各地の病院を巡って、ここまで来たんだ」
切羽詰まった表情で語る霧島さん。司たちの視線が僕に刺さるのを感じる。
ただ僕には分かっていた。その御度の状態から分かってしまっていた。
三井田さんがもう手遅れだということに。
「治療系の能力を持っていますが……僕には無理です。手に負えません」
「そんなっ、どうにかならねえのかよ!? 陽菜ちゃんはまだこんなに小さいんだぞっ」
山里さんの切実な懇願を、首を振って否定する。彼はそれでも食い下がろうとしたが霧島さんに窘められていた。
彼女の背に浮かぶ、ほとんど燃えカスのような貧弱な御度。
陰陽術の治療はあくまで対象の自然治癒能力を上げることを目的にしたものに過ぎない。病の根源を取り除いたり、生命の礎たる御度を増やしたりすることはできないのだ。
だから、彼女のようにもうほとんど御度が空の状態だとせいぜい気休めのような効果しかもたらさない。というか霊魂を体の中に閉じ込めるエネルギーがない状態が維持されてることの方が異常なのだ。
一体、どれだけの執念で生にしがみついているのだろう。
「じゃ、じゃあクゥの能力でどうにかならないっスか?
奇跡を起こせるんスよね?」
「無理じゃの。
……わらわには可能性がない未来を起こすことはできん」
わずかな希望もクゥが壊してしまう。四人が意気消沈する様子が見て取れた。
……彼らを突き放すのは簡単だ。このまま何もせず、去ってしまえばいい。
嘘は言っていないし、そもそも彼らが真実を語っている確固たる保証はないのだ。同情を誘って僕らをはめようとしている可能性だってある。
ただそれでも僕は彼らの力になりたいと思ってしまっていた。
それが単純に彼らの様子が真に迫っていたからか、他にも理由があるかはわからないけど……それ自体は悪いことじゃないはずだ。
息を吐いて、彼らを見据える。
「完治させるのは無理ですが、お手伝いはできます。
僕のスキルで延命くらいはできるはずです。その後稼働してる病院を探すのか、市役所に望みをかけるのか、それは皆さんに任せますが……それでもできるだけ助けたいと思ってます。
みんなも少し時間をとってもいいよね?」
「オレは構わないぜ。せっかく人と会えたんだ。助け合いたい」
「っスね。私の直観も彼らが悪い人じゃないと言ってるっスから」
「うむ、わらわも微力ながら力を貸そうぞ」
三者三葉の肯定の言葉に、四人は表情を軽くする。
それから感謝等を言われた後、僕らの自己紹介を終えてひとまず三井田さんの治療をしようということになった。
周囲を生け垣に囲まれた家の庭に移動し、縁側に彼女を下ろす。
「三井田さんはとある難病に罹っていてね、週一の検診と毎日の服薬が絶対条件だった。ところが今回のことでそれが崩れて一気に病状が進んでしまってね。
病院で薬だけは確保することはできたが、それでも効果がみえない。むしろ悪化しているのが現状なんだ。ここ何日かはずっと昏睡状態が続いている」
苦しそうに呼吸する彼女。見れば見るほど生きているのが不思議なほど満身創痍だ。
それから霧島さんは病気は詳しい説明なんかをしてくれたが、あいにく僕に医学的知識はない。ただその原因の一端はわかっていた。
彼女に巣くう瘴気。それが回復を妨げている。
意思のない本人の代わりに彼らに諸々のリスクを説明して浄化を開始しようとして、かすかな視線を感じた。
横を見ると、陽菜ちゃんがこちらをじっと見つめていた。
突然母親が倒れて、わけわからない状況に放りこまれて、しかも見ず知らずの人が母親に何かしそうになっているのだ。
不安に思って当然、か。
腰を落とし視線を合わせて彼女に語り掛ける。
「僕はね、これから陽菜ちゃんのママの病気を良くしようとしてるんだ。
任せてくれるかな?」
「? おにいちゃんはおいしゃさんなの?」
「ま、まあ、そんな感じかな。
お医者さんみたいにうまくできるかはわからないけどね」
「できなくても、ママのことを助けてほしいのっ。
あのねっ、ママはね、いつも私のために早くむかえにきてくれるの。友達と一緒に待ってるからっていっても、寂しくないようにって」
「そうなんだ。優しかったんだね」
「そうなのっ。この前もーー」
「うむ。その話はおいおい聞くとして、今はわらわと一緒にママを応援せんか?
陽菜の呼びかけに答えてくれるかもしれんぞ?」
「わかったのっ! 起きてなのっ、ママ。おにいちゃんも頑張ってっ」
淡々と続きそうな彼女の言葉をさえぎって、クゥがうまい方に誘導してくれる。
ありがたい。できるだけ早く取り掛かりたかったから。
「私たちに何かできることはないかい?」
「いえ特には。
ただ……そうですね、皆さんも彼女に声をかけてあげてください。できれば目覚めたくなるような、前向きなことを。きっと力になるはずです」
「わかったよ」
陽菜ちゃんが待ってる、世界が戻ったらご飯に行きましょう、等口々に彼女に語り掛ける四人。不思議な光景だけど、それがただの気休めというわけでもない。言葉や思念が大気中の御度に干渉して何らかの効果をもたらすこともあるのだから。
見れば、彼ら全員が真摯に彼女の無事を祈っていた。おざなりな感情は見えない。
この分なら病院を探し回っていたというのも本当だろう。
……失敗するわけにはいかないな。
「――」
並々ならぬプレッシャーを背負って浄化を始める。
いたるところに穴が開き、ボロボロな状態の御度。そこに静かに霊気を注ぎ込んでいく。悪影響が出ないようにゆっくりと。
そうして何とか呪文を詠唱し、術は終盤。慎重に瘴気の根源を包み、癒しの力をーー。
「っ。いかんっ」
瞬間、視界をまばゆい光が包んだ。同時に体からごっそりと御度が抜ける。
一体何が起こった!?
視線を移せば、確かに三井田さんの御度から瘴気が消えている。ということは、術は成功?
いやこれはーー。
彼女の瞳が、ゆっくりと、開かれる。
「ここ、は……」
「ママっ、良かった!」
「ははっ、やるじゃねえか、篤史君」
わっと沸く雰囲気。泣いて抱き着く娘に戸惑う母親。
感動的な光景だ。
四人と司と咲も口々に感謝や賞賛の言葉を言ってくれる。
だけど、僕には目の前の出来事が信じられなかった。
だって彼女の命はーー。
「篤史。あやつは、もう……」
クゥが言いにくそうにこっそりと、その事実を耳打ちしてくる。
やっぱり、か。
「知らせてあげないとーー」
「よい。篤史。……気づいておる」
クゥの視線の先には、皆に囲まれてほのかな笑みを浮かべる三井田さん。歓喜にあふれている周囲とは対照的に、その表情にはどこか陰がある。
自分の死期を悟ったということか。
クゥはいろんな死を見てきただろうし、その言葉はきっと正しいんだろう……。
「ねえ、陽菜。これからみなさんと内緒の話をしたいの。
少し離れててくれる?」
「えー、なんで!? やだ、私も一緒にいるのっ」
「まあ、良いじゃねえか。陽菜ちゃんも寂しかったんだろ」
「なのっ」
ぷくと頬を膨らませて、母親の膝の上に座る少女。
それだけみれば微笑ましい姿。ただその裏にある感情を知っていると……胸が苦しくなる。
「……仕方ない、子ね。
それじゃあ、みなさん。ここまで運んでくれてありがとうございました。こんな状況になって見捨ていないでくれた決断があったからこそ、私はここにいます。
それと篤史君だったかしら、あなたも私を治してくれて感謝してるわ」
「いえ、その……すいませんでした」
「大丈夫よ。あなたのおかげでこうして最後に話せるの……だから、気にしないで」
慈しむように娘の頭を撫でて、微笑む三井田さん。
そこに嘘の色は見えない。何なら僕を労わってすらいるようだ。
彼女の言葉と様子に違和感を覚えたのか、大人たちの間に困惑した空気が流れ始める。
ただ陽菜ちゃんは何も気づかず、にこにことご満悦な様子だ。
「それから霧島主任――」
話は続く。一人ずつ名指しされて紡がれる言葉には、多くの感謝が詰められていた。
霧島さんは彼らが会社の仲間だと言っていた。彼らの中には自分たちが積み上げてきたものがあるのだ。部外者の僕には決して測り知ることができないような。
そうしてそれを使って、自分の娘を守ってもらおうとしている。
自分の運命を知りながらも、それすら受け入れて未来につなごうとする彼女を見ていられなくて、思わず目をそらした。
「司、咲。僕らは周囲を固めよう。ムラサキだけだと不安だ」
「ええー、もっと見ていきましょうよ。
篤史さんがこの光景を作り出したんスよ」
「だな。少しくらい雰囲気を味わったって罰は当たらないだろ」
不満たらたらな二人を引っ張って、クゥと共に敷地の外に出る。
生け垣を越え彼らの声が聞こえなくなると、クゥが重い口を開いた。
「治せて、ないのじゃ」
「え? どういうことっスか?」
「あれはわらわが起こした奇跡にすぎん。
わらわの能力が、病気を治す方でなく最期に意識を取り戻す方に働いたのじゃ」
「それじゃあっ、症状はーー」
「よくなってはおらん。むしろその分の力を今この瞬間につかっておる。
きっと数分もしないうちに……」
「そんなのっ、そんなのってありかよ!?
だって治ったってみんな喜んでたじゃない、か」
司の声が徐々に小さくなっていく。その事実に打ちひしがれて。
咲もまた悲痛な面持ちでうつむいた。
「わらわの、せいなのじゃ。わらわが力を使ったから」
「それは違うよ、クゥ。……多分、彼女が望んだことなんだ。
そうじゃないと、あんな表情するはずない」
「……」
場に落ちる沈黙。遠くから声が流れてくる。それもすすり泣く声が。
同僚の人たちは彼女の言葉に何を思うんだろうか。そして幼い少女はその死を正しく認識できるんだろうか。
と、そうだっ。死ぬならあいつらがくる。死体を掃除する化け物たちが。
彼女と関係が深い彼らにあんなむごい光景は見せたくはない。
「――」
三人に周囲の警戒を頼み、結界の準備を始める。
防げるかはわからないけど、やらないよりはましだ。
「ママっ、ママっ、起きてなのっ! ねえ、どうして目を覚まさないのっ!?」
一際大きな叫声が轟く。横目で見れば、縁側で泣き叫ぶ少女の傍らから霊魂が飛び立っていくところだった。少女をいたわるようにその周りをくるりと回って、空へと。
今また一つ命が終わった。
ただこちらは何とか間に合った。
詠唱を終え、全員内側にいるのを確認すると術を完成させる。家の周囲にせり出してくる青色の壁。改良が間に合わなかったので、今回は封印結界だ。
ほぼ同時に周囲にあの音が響いた。
「? 地鳴り? いや、周りを囲むこれは……」
「それは僕の術ですっ。モンスターが来ます。
皆さんの中に戦闘できる人はいますかっ?」
未だ悲しみが抜けきらない彼らに呼び掛ける。
本当はそっとしておきたいんだけど……。
「……仕方ないね。ありがとう。ほら、君たちもいこう」
鼻声の霧島さんと一緒にやってきたのは二人ーー山里さん、久留島さんだ。
男三人衆は消沈した、それでいて強い感情を灯した表情で僕の隣に並びーー目の前の光景に言葉を失った。隣で咲とクゥも呆然と震えている。
「なんということじゃ」
一面の地面に広がる、黒と白の波。それら一つ一つがモンスターだ。
瘴気と白皮の間に赤色の瞳が蠢く。数えきれないほどのハサミが結界とぶつかり、かちゃかちゃと絶え間ない音を響かせる。
ただ不思議なことに、抵抗はほとんど感じられない。今も結界をこじ開けようとしている、というよりはどこに行っていいかわからず右往左往してる感じがする。
「何とかなりそうか?」
「多分ね。多分奴らには攻撃能力がないんだ。
しかも結界のせいで死体を見失っている、と思う」
傍に来た司に自論を話す。
死臭を追っているのか、それともまったく別の何かを認識しているのか、詳細はわからないけど、結界で防げるのはありがたい。
「一体どういうことだい? こいつらは一体?」
「奴らはどこからともなく現れて、死体を食べるんですよ。
それが町中に死体が一切残っていない理由です」
「……なんてやつらだ」
常識外からの暴論に絶句する彼ら。
暫くすると彼らは波が引くように去っていった。しかもほぼすべてが同じ方向に。
……とにかく今は助かった。
式神で周りにモンスターがいないことも確認して皆に知らせると。ひとまずは少女たちの元へと戻る。
何ら問題が解決したわけではないのだ。
涙をこらえる梅津さんと、母親に抱きつく娘。彼女の慟哭が虚空へと吸い込まれていった。
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