第155話・狩った海竜は食べましょう。準備編
夕方になるとオレ達は大量の荷物を持って、マルク君の家に戻っていた。
エル達の買い物以外にも、島のみんなへのお土産なんかを買っていたので荷物が増えちゃったよ。
「海竜の皮はローブなどにすると最高級品になりますよ。本当に要らないんですか?」
「ジュリアは違うみてえだが、オレ達の服は特別製だからな。必要ねえな」
マルク君の家には海竜の肉が届いていたので、エルとケティは調理を手伝いに厨房に行った。
残るオレ達はマルク君と肉以外の海竜の素材について話してるんだけど、かなり貴重な物みたいだな。
皮の一部は魚雷が当たり使い物にならないみたいだけど、巨体だからそれなりの量が取れるみたい。
宇宙からの報告だとリアルにもある通常の魚雷では皮にはダメージがないらしく、当たった時の衝撃と爆発による内部へのダメージが多少ある程度だとか。
音速魚雷に関してはギャラクシー・オブ・プラネットのオリジナルの兵器で、特殊な液体金属を使っていて敵に命中した瞬間に、形が鋭利になり先端が皮を貫いて内部で爆発して直接ダメージを与えていたようだ。
ただ宇宙に運んだ竜の致命傷は頭へのダメージらしく、音速魚雷も場所によっては致命傷にはならないらしいが。
「牙の方も武器に加工すれば、竜種すらダメージを与えられる武器になりますが」
「地上だとレーザーが使えるからな」
「実は国から皮と牙を売るなら、買い取りたいと話がきたみたいで」
「任せるぜ。マルクにやったもんだしな」
ジョニーさんったら、肉以外は興味ないみたいだね。
ジョニーさんの話だとレーザー兵器は十分使えるようで、下手なこの惑星の武器より扱い慣れてるからいいんだとか。
「肉も高級品ですけど、皮と牙や骨に臓器や血の方が使い道が多くて高いんですよ」
「欲しくなれば、また狩ってくりゃあいいだけさ」
「迷惑になるなら引き取るよ。国まで出てきて大変みたいだし」
「いえ。迷惑だなんて、そんな」
最初にマルク君にあげると言っちゃったオレが言うのも何なんだけど、なんか面倒なことになってる気も。
黙って現金で謝礼を払うべきだったかな。
「使い道が必ずしもないのは、本当なんだよね。調査に一匹あれば十分だしさ」
「では肉以外は売却しますね。皮と牙の一部は国に売ることになりそうですけど」
まさか竜の皮と牙の宇宙船なんて、作るわけにいかないしね。
要は竜のDNAなど詳細な情報が欲しいだけなんだよね、本当。
「ロボ。何をくわえて来たんだ?」
「肉じゃねえか?」
「ああ、肉の切れ端貰ったのか」
海竜の扱いが決まる頃になると、先程から姿が見えなかったロボが何かをくわえてオレ達の元に戻って来た。
どうも厨房から海竜の肉の切れ端を貰って来たみたいで、ブランカに二枚くわえていた切れ端の一枚をあげて、仲良く食べてるよ。
尻尾がブンブンと振られているから、よほど美味しいんだろう。
そのうちこの世界でも有数のグルメ狼になりそうだな。
いつの日か昔のモンスターを育てるゲームみたいに、進化でもしたりして。
まさかね。
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