第29話 村づくりブースト
前回からの続き。
これまでのように転職の度に気持ちを切り替えて、前向きに生きるのも面倒くさくなった私はさっさとFIREしたくなり、再びメンタルを崩した2021年春~夏にかけて、株を買い漁っていた。
今日はその続編からお届けしたい。
春のパン祭りの最後の銘柄はこちら。
やまや<9994>。
本社は宮城県仙台市で、主に東北~関東北部のロードサイドにある酒販店である。
こちらも実はイオnグループ……いや! これは敢えて訂正させて貰いたい!
私が買った時は本当に、イオnが大株主に名を連ねているとは知らなかったんだってば!
それに確かにイオnグループと言えるが、イオnの持ち株比率は20%弱である。
創業家である山内氏のご家族やその関連企業が株を保有しており、経営もいわゆるイオnグループとは一線を画す。
もちろん店内にはトップバリュとかいうやつ置き始めているけどさ。
やまやさんの優待は、百株で半年に一度貰える3千円分のお買い物券。
私は当然サッポロビールさんの商品を購入するのに使用しているが、店内にはもちろんソフトドリンクやノンアルコール、さらに食品や100円ショップ・ダイソーの商品が並ぶスペースもある。ご家族向けにも最高の店だ。
ちなみに同店では100円(しかも税込!)につき1ポイントのdポイントを貯められるのだが、優待お買い物券の分にもしっかりポイントが貰える。
つまり利回り101%の、ぼくのかんがえるさいきょうのゆうたい。
同様に他社から貰ったクオカードもマツキヨさんなら、マツキヨポイントとdポイントのダブルで合計102%の利回りになる。
今は廃止されたが、日本BS放送<9414>さんは親会社のビックカメラ商品券を配っていた。それはビックさん本体が配る優待買物券とは異なり、商品券なのでちゃんとビックポイントが付く。つまり利回り110%という超絶怒涛の優待であった。
それに『ガッチャ!』というポイントサイトで貰ったクーポンや、株主通信で配布されるポイント3%アップ券を併用すれば、さらに利回り113%ですよ、奥さん!
やまやさんに話を戻すと、まぁぶっちゃけ現金決済でもっと安い酒販卸店を、私は知っているんだけどね。
普段はそちらにお邪魔している。
正直なところ、やまやさんやカクヤスグループ<7686>さんのような上場酒販卸は実は言うほど安くない。
しかし、マネックス証券でdポイントによる投信買付ができるようになったから、優待券が届く時期だけでなく、普段からもう少しやまやさんにもお邪魔してdポイントを貯めておこう、ということにしている。
こちらと東京靴流通センターのチヨダさんは、たかが百株の株主である私に対して店員さんが、気持ちいい程にバイアスかかった対応をして頂けるからだ。
むしろ逆に私が、他の客に対して恐縮してしまう。
ということで、この半期に購入した銘柄は全部で4つ。
でもそれで止まる私ではない。
夏~秋にかけて、さらに銘柄を買い増ししている。
その前に、全てポイントだけで賄うサテライト村の開拓の様子をお伝えしよう。
まずはVポイント(当時はTポイント)で、単元未満株をコツコツ買うSBI証券(こちらも当時はSBIネオモバ証券であった)から。
メインの村づくりはマネックスさんで優待銘柄を買うので、SBIさんは別に優待銘柄で無くても構わない。
むしろ投資元本がポイントのみと限られているので高配当銘柄を購入して、配当金を再投資して雪だるま式に増やしていこうと考えた。
って感じで購入したのは、JX<5020>(現:ENEOSホールディングス)。
皆さんご存知、ガソリンスタンド最大手。
ドライブと旅行が好きな私は、地方に行けば行くほど農協(JA)がやってるSSかエネオスばかり目撃する。必然的に給油もそちらを利用することになる。
エネオスさんは2017年に東燃ゼネラルを吸収合併する。
一方、国内の燃油卸売といえば、英国ロイヤル・ダッチ・シェル傘下の昭和シェル石油と出光興産が2023年12月に合併を完了し、現在のSSはアポロ・ステーションを名乗る。
まさに原油銘柄の戦国時代だ。
ここでまたしてもポイ活の話だが、エネオスさんは現在Vポイント、dポイント、楽天ポイントのいずれかが貯まる。
一方のアポロステーションは楽天ポイントかPontaが貯まる。
私がよく給油をしていた時代の前者はTポイント、後者はPontaのみであった。
エネオスさんはTポイント加盟店あるあるの、税抜き200円につき1ポイント付与という感じ。
対する昭和シェルはPontaが油類1リッターにつき1ポイント貰える。
だがシェルさんのこれは油類1リッターにつき1ポイントだ。
なので別にレギュラーやハイオク、軽油でなくても構わない。
当時の実家では冬になると湯沸かし器用に灯油を買いに行っていたが、灯油はまだ18リッター1,200円未満で買えた時代に18ポイントも貰えていた。
今は湯沸かし器も完全に都市ガス化させたので灯油は購入していない。
なお、この時のポイント利回りは1.5%を超える。
しかし昭和シェルさんもポイント付与率の改定があり、現在は税抜200円ごとに1ポイントとなった。
ところがエネオスさんはもっと渋くなった。
税抜200円から2リッターごとに1ポイント付与になったのである。
2024年現在は原油先物価格も1バレル70ドル前後で推移しており、レギュラーガソリンの売値もだいたい170円前後である。
なので、ポイント利回りはだいたい0.3%程度にしかならない。
そういえば第27話で書いたガソリン税と消費税の二重課税問題だが、去る12月11日、自民公明両党と国民民主党が揮発油にかかる暫定税率の廃止を決定、といったニュースが飛び込んできた。ドライブ好きの私には願っても無い朗報だ。
これでエネオスさんのポイント利回りは0.38%程度にまで上昇する。
なお当時のエネオスさんの株価は450円前後、利回り5%近い優良銘柄であった。
これをVポイントで買い続けて、どんどん増やしていこうと決めた。
しかし、その後は近年の株高のせいでエネオスさんも随分と値上がりしてしまい、Vポイントで単元未満株を買うにも相当貯めないと買えなくなってきた。
これらサテライト村の苦悩はまた別の機会に後日談として――。
もう一方のサテライト村である、auカブコム証券さん。
こちらはマネックスさんやSBIさんとは違うムーブとして、au系列サービスで貯めたPontaだけで高分配投資信託を買うと決めた。
『アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型』
これがどういう投信なのかと訊かれても、投資を11年もやってるくせに未だに為替ヘッジとか、よくわからないのよね。
何度も意味を調べて、理解したつもりでも、すぐにわからなくなる。
たぶん心の底のどこかに興味があれば、絶対に理解しようとするはずなのよ。
その結果がこんな感じなので、為替とか通貨取引系は私にとって本当に鬼門。
なので私はFXや仮想通貨を絶対にやらない。
だから今も「アメリカに投資する為替をヘッジしない投信なんだよ」って言う字面どおりのことしか知らないのさ。
この投信を買ったあと、面白いことがあった。
当時、au payでの支払いが可能になった吉野家さんで『au payで支払おう』キャンペーンを行っていた。
税込200円で1ポイント以上Pontaを貯めたら、自動的にキャンペーンに応募できて、さらに食事の支払いの回数に応じて応募口数が増えるというものだ。
私はそのキャンペーンの期間中、一度だけ吉野家さんに行った。
株主優待券で500円ぶんを支払ったら、残りの二百数十円をau payで支払う。
これで1Pontaポイントを貯めたことになる。
けっきょくキャンペーン期間中の応募はその一口だけだったのに、私は特賞の1万Pontaポイントが当たった。
当選の通知が来た時は驚いてしばらくフリーズした。
昔からくじ運の無い私だったが、このPonta1万ポイントは一気にサテライト村の拡大に貢献してくれた。
以降もどっかの会社(たぶんKDDIさんだったかな?)の株主通信のアンケートに答えたら、じゃがいもとにんじんと玉ねぎの詰め合わせを貰ったし。
ふるさと納税では北海道上富良野町でサッポロビールを貰ったら、そのアンケートに当選して豚肉の切り落とし1kgが当たったり。
小物類ではマネックスさんで『けものフレンズ』コラボボールペンが当たったり、ウエルシアさんではマスコットの白い獣『うえたん』のキーホルダーも当選する。
他にもサッポロさんの系列飲食店『銀座ライオン』で生ビールを頼んだら、スクラッチくじで手ぬぐいを頂戴した。
人生マイナスの事があると、どこかでプラスの事が起こってバランスを取れるようになっているんだなぁと実感する。非常にありがたい話だ。
カタログギフトの優待も相当数あるし、全てよそ様からの頂き物で成り立っている私の人生と言えなくもない。
というわけで次回は2021年、春のパン祭り終了後~秋にかけてお届けする。
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