第158話 決着、そして
砕け散って、錆びた剣が、地に落ちる。
レイジは右手首から先の手を、斬り落とされて失っていた。
出血は止まらない。致命傷だ。
疲労の限界に達したレイジが地に膝をついた、その瞬間に――
「勝者、
観衆の熱狂とともに、俺の勝利が決まった。
陽花が「やったー!」と喜んでくれた。
アスカ先輩が、うんうん、とうなずいている。
月花は「ちぇーっ」と残念そうにしている。
俺も体力の限界だ、たまらず地に膝をつく。
勝者にふさわしくないふるまいに、レイジがあきれている。
「おいおい、なんで、勝ったやつがひざまずくんだよ……」
「すまないな、体力の限界には、あまり慣れていないんだ」
俺たちは苦笑いで、お互いに健闘を称え合った。
見れば、レイジは自分の能力を使って、止血をしている。便利な超能力だな。
これで、俺は決勝戦に駒を進めたことになる。
決勝戦の対戦相手は、同じくレベル9の生徒会長だ。
合宿の時とは違う、正真正銘、学園最強の能力者との戦いだ。
俺は来たる戦いに、心をおどらせる。
「すばらしい戦いでした」
そのとき、ヒサヒト先輩が、進み出た。
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