赤木ココロVS宮尾レイジ

第141話 私が、ナンバーワンなんだから!

 トーナメントも順当に進み、準々決勝の試合にたどりついた。


 俺は最初に試合を行い、Bブロック代表として準決勝への出場を決めた。

 今は【偽虎】の持ち手がよくなじむ。

 負ける気がしない……と考えるのは増長に違いないのだが、気分は良好だ。

 Cブロック、Dブロックも準々決勝を終える。

 そして最後に、Aブロックの試合を残すところとなった。

 組み合わせの内容は、俺にとって見知った顔ぶれだ。

 というのも……


「ふふんっ、私の活躍を見せる時がやってきたようね!」


 赤木あかぎココロ、陽花の友人でもある彼女がAブロック最終戦の出場者だ。

 対戦相手は、宮尾みやびレイジ。こちらもやはり俺の知った顔だ。

 レイジは、のらりくらりと錆びた剣をふりまわして、勝ちあがってきた。

 なんというか、あまり能力者にはふさわしくない物理で殴るタイプの勝ち方だ。

 失礼ながら対戦相手に恵まれた、という印象もある。

 レイジの相手はあまり強力な能力者ではなかったのだ。

 しかし、悪運もここまで、ということか。

 赤木ココロの能力者レベルは7。最高クラスには劣るが、上位の能力者だ。

 ココロの戦績は、ここまで全試合、相手を丸焼きにしてKO勝ち。

 試合のはじまりを見守る誰もが、ここまでだな、と思っていたに違いない。

 俺は友人として、レイジの応援をすることに決めたが、心の中では、次に戦うであろうココロを倒すための対策を考えていた。自分ながら気が早いとは思う。


「がんばれー、ココロちゃん!」


 陽花はココロを応援していた。友人想いだな。

 俺がクラスの輪から少し離れたところで、試合のはじまりを観戦していると……


「青虎くん、となりは空いているかな?」


 マルフジ学園長が、寄ってきた。

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