第124話 よーう! シリアルキラー!

 ツバメ先輩は、別れ際にこうも言っていた。


「残念だな、この閉じた学園に、新しい風が吹いてくれたと、思ったんだが」


 俺には過ぎた評価だ。買いかぶりというものだろう。


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 翌日、第三回戦の試合が行われる朝に、俺は町をうろついていた。

 制服姿で補導されないか少し不安になったが、その時はその時だ。


 周りにはご丁寧にも、学園の派閥の上級生たちがいる。

 俺が約束を守るかどうか、下っ端が見張りにでもきたのだろう。

 ご苦労様だな。俺は最初から、試合をすっぽかすつもりでいるのに。


「おい夜神青虎やがみあおとら、飯でもどうだ?」


「いいですね、おごってくれますか? 先輩?」


「おごってやるよ! 腑抜け野郎が、今日こそ負けてくれるんだからな!」


 取り巻きの上級生がゲラゲラと笑った。本当に上機嫌だな。

 どうせなら、大負けの100パーセントオフでおごってもらいたい。

 寮の暮らしは質素だから、たまには外食でおいしいものが食べたいんだ。


 俺と上級生が、大昔の不良生徒みたいに、道端でたむろしていると……

 

「早飯か! いいねー、俺も交ぜてくれよ! 青虎シリアルキラー!」


 見知った顔が、ずうずうしく食事談義に交ざってきた。何の用だ? レイジ?

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