第104話 風紀委員長あらわる

 俺たちはアスカ先輩に連れられて、風紀委員の委員会にやってきた。


「よしなにたのもう! ツバメくんに会いに来たよ!」


 道場破りに来たのかという、勢いのある物言いだ。


 部活動未満の同好会の主催者が、まかり間違っても言えるセリフではない。


「さすがアスカ先輩だぜ……」と、レイジが褒めたたえたが、俺は無視した。


「委員長なら留守ですよ、生徒会執行部に、呼ばれています」


「なら待たせてもらおうかな。お茶をちょうだい」


「できればお引き取りください……」


 風紀委員のみなさんに申し訳なくなってきたな……

 俺は気になっていた疑問をアスカ先輩にたずねてみる。


「ところでアスカ先輩、風紀委員長の弱点というのは?」


「彼、めちゃくちゃ内気だから、押しに弱いの。私が手本を見せてあげるよ」


 それは単なる迷惑行為ではなかろうかと、俺は真剣に頭を痛くした。


 ドタバタと騒がしいアスカ先輩が委員会の秩序を乱しているところに……


「さわがしいな。どうしたんだ?」


 風紀委員長の記章バッジをつけた、青年があらわれた。

 内気というには落ち着き払った冷静で、青年は慣れたふうに言う。


「ああ、またおまえか、いい加減にしろ。鳳凰院アスカ……」

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