能力者校内選抜大会

第101話 開幕、能力者校内選抜大会

 ワールドチャンピオンシップへの出場を決める、能力者の校内選抜大会が始まった。


 と言っても、世界大会への出場には国内予選があるわけで予選の予選という形になる。

 たったひとつのせまい学園から世界大会への出場者が決まってしまっては不公平だろうから、当たり前の話だな。


 学園長の推薦でエントリーした俺は、ひとまず第一回戦にのぞむ。


「よく来たな無能力者レベルゼロ! 今日こそ派閥の名にかけて、おまえを倒す!」


「悪いが負けて死んでくれ」


 第一回戦は、対戦相手の首を斬って俺が勝った。すまないな。

 派手な返り血で他人の目がとても痛かったが、それはもう仕方がないと割り切る。


 最近、羞恥心しゅうちしんがなくなってきたような気がする。

 どうしてだろうな。元気印の仲間に影響されたからかもしれないな……


「へっ、俺が負けるわけがないぜ」


 レイジも勝った。


「私が! ナンバーワンなんだから!」


 ココロも勝った。


「う、ううっ……がんばってください……青虎くん……」


「私はみんなを応援しているよ! 将棋同好会、ファイトー!」


 陽花は一回戦で負けた。残念なことだ。アスカ先輩はエントリーせず、だな。


 ブロック別のトーナメント表を見ながら、俺は少しだけ、自分の心が躍るのを感じた。

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