第87話 美しいキミ
「後悔するなよ、
その言葉を最後に、俺の身体は自由を奪われた。意識だけがふわふわしている。
「後悔? 私のお人形になった男の子が、いったいなにを言うんだか……」
「お姉ちゃん、なんで、なんでこんなひどいことをするの?」
陽花が泣いていた。俺は意識の中で、胸を痛ませる。
月花は、悪びれもせずに微笑んだ。
「妹がかっこいい彼氏を見つくろったら、欲しくなるじゃない? あはは」
「彼氏とか、そういうことじゃなくて! なんでこんなひどいことをするの!?」
「彼氏じゃないの? あ、そう。なら青虎くんに、言ってもらおうかな~」
月花が俺を見た。魅了魔法で、俺に、何を言わせるというのだろうか?
「青虎くん、この姉を、鶴山月花を美しいと言ってごらんなさい」
「お姉ちゃん! ふざけないでよ!」
「ふざけてなんかいないわ。さあ、言いなさいよ、澄ました青虎くん!」
月花が俺に命令する。そのとき……俺は望まず自分の口元がつりあがるのを感じた。
「キミは美しい、だが、美しいキミよ……」
「へ?」
「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます