ゲーセンダブルデート

第71話 ダブルデートッスね

 中間テストが終わり、俺たちは自由の身になった。


 レイジは赤点を取って補講を受けるようだが、大勢に問題はない。

 週末の休日に、俺がなにをしているのかというと……


「いやあ、青虎くん、来てくれてありがとうッス」


「ふふふ、ありがとうね! 青虎くん!」


 稲荷先輩とアスカ先輩のデートに同伴どうはんしていた。なぜだ?

 ちなみに陽花もいっしょにいる。

 せっかくのデートを邪魔するようだが、そこには稲荷先輩の思いがある。


「ふたりきりだとアスカさんに気をつかわせるッスからね。見知った顔がいてくれると、オレも、気楽に話せるッス」


「そんなものでしょうか? 俺たちはお邪魔では?」


「ノープロブレム! 青虎くんと陽花ちゃんを合わせて、ダブルデートッスよ~」


 ダブルデートとは考えもしなかったアイデアだ。

 言われた陽花が気恥ずかしそうに赤面している。


 俺も少し恥ずかしい。陽花には嫌な思いをさせてしまったかな……

 ふつうに聞こえる距離で、アスカ先輩が陽花に耳打ちする。


「チャンスだよ、陽花ちゃん。青虎くんのハートをばっちりキャッチだ!」


「も、もう、やめてください。アスカ先輩……」


 陽花がますます赤面した。


 ゲーセンデート……どうしたものかなと、俺は思った。

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