第15話 学園長からの呼び出し

 昼休みの終わりに、俺は学長室に呼び出しを受けた。


 午後の講義よりも優先される用事があるらしい。


「お、不良生徒の呼び出しだな。ははは、生きて戻れよ」


 俺は素行不良ではないんだが……


 どうせ昨日の喧嘩のお𠮟りだろう。俺は席を立った。


「あ、あの、青虎くん」


「ありがとう。楽しい時間だったよ」


「将棋同好会は、部室棟の2階でやりますから」


「?」


「ま、待ってますから! もう少し、話をしましょう!」


 言って、陽花は俺の顔も見ずに駆け去ってしまった。


「だとさ。放課後に待ってるぜ、色男さん」


 レイジのからかいに背を向けて、俺は教室を後にした。


 誰もいない廊下を歩いて、学長室に迷わずにたどりつけたのはよかったが。


 2日目から授業を受けずに呼び出しとは、幸先が悪い……


「入りたまえ」


 ノックをする前に、俺は入室を許された。

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