第4話 いじめられっ子

「も、もういいよ、ココロちゃん。わたしは気にしてないから」


「いいえ、こいつらを謝らせるまで、私は退かないから!」


 丸眼鏡をした、おとなしそうな女の子が困っておどおどしていた。


 勝気な女の子の名前は、ココロちゃんというらしい。


「レベル2だとか、レベルゼロだとか、そんなの人間の価値に関係ないよ。なにが上級生よ! なにが派閥よ! こいつら最低だわ! 人間のクズよ!」


 察するに、丸眼鏡の女の子がレベル2の能力者かな。


 話が読めてきたようだ。


 丸眼鏡の女の子はココロの友人で、ココロは友人の能力レベルを上級生にバカにされたから、友人の代わりに怒っているらしい。


 友人想いと言えば友人想いのいいやつだが、迷惑な話でもある。


 実際、喧嘩に巻き込まれた丸眼鏡の女の子は、気が気でなく怯えている。


 俺も、他人の喧嘩に巻き込まれてしまったようだ。


「なら証明してくれよ、レベルがすべてじゃないってな」


「勝負? 受けて立つわ! そっちは誰が――」


「勘違いするな、俺たちと勝負するのはレベル7おまえじゃねえ」


 進み出た男は、下卑た笑いで言って、丸眼鏡の女の子を指さした。


「そこにいる、いじけた眼鏡の、ご友人だよ」


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