第3話 レベルゼロ
俺の回答は、名も知らぬ女の子を困らせるものだったらしい。
「へ? ど、どういうこと?」
「塾に行くんだ。キミも帰った方がいい、頭を冷やせ」
素通りする。しようとしたんだが、俺は上級生に呼び止められた。
「カッコいいじゃねえか、澄ました野郎だな。おまえ」
徒党を組む上級生の中には、俺を勧誘したやつが混じっていた。
彼が「レベルゼロの雑魚野郎ですよ!」とさけぶと、嘲笑は爆笑に変わった。
レベルゼロ、0から9まである10段階評価の最下層能力者、それが俺だ。
あってもなくても変わらない程度の魔法しか使えないということだ。
その通りなので、俺は言い返さずに、校門を通り過ぎようとする。
「無視するんじゃねえよ。ガリ勉野郎」
「っ~、いい加減にしなさいよ、あなたたち! それでも上級生なの!?」
「え~、そういう
新入生と思われる少女が、上級生に交じり、小馬鹿にして言った。
「レベル7よ、それがどうしたっていうの」
「レベル7! 傑作だ! レベルゼロの彼氏に守ってもらうレベル7の女がいるのか!」
バカにされた女の子は顔を真っ赤にして、怒った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます