第2話 夜神青虎
入学式の後に、俺が上級生と揉めたのには理由がある。
ホームルームを終えた新入生を待っていたのは、部活動の誘いではなく、有能な能力者を傘下に置こうとする学園
俺の無能力を聞いた上級生は鼻で笑って送り出してくれたが、バカにされたと食い下がる
校門の前で口論をしている女の子も、その手合いだった。
大勢の上級生を相手に一歩も引かない剣幕で、怒鳴り返している。
これには俺も、悪い意味でおどろいた。
「私、ウソつきたくない」
女の子は、上級生に囲まれて、あざ笑われていた。
「徒党を組んで、手下を集めて、それが最強? いいえ、そんなのウソよ!」
負け犬の遠吠えにしか聞こえないな。
ひとりぼっちの言い分は、いつの世も虚しく聞こえる。
その孤立無援の女の子に、通りすがりの俺は呼び止められたんだ。
「あなた新入生? ねえ、あなたもそう思うでしょう?」
通りすがりの俺は答えた。
「キミを守る前に、俺にはするべきことがある」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます