1214 榊山さんは感づく 02
しぐれんの仕事の速さにはいつも驚かされてばっかりだ。
「速すぎない? まぁた、徹夜したよねー?」
「徹夜と言えば徹夜ですが、いや、その、気付いたら朝が来てたと言う方が正しいような。あぁ、心配させてすみません、楽しくってついっ」
まったく、これだから。
大袈裟に頭をふってやれば、何を思ったのかひどく慌て始める。迷惑をかけてしまったとでも考えているのかな。こちらはこれっぽっちも迷惑なんて思ってないのに。
「しぐれんが楽しいなら、とやかく言わないけど。そのやり方は体にガタがくるよ」
説教なんてする柄じゃないけど、つい言ってしまう。
私だって年末年始に徹夜をしただけでへとへとになるのに、週一以上やってしまうのが、しぐれんだ。
「昼寝はしました……うぅ、そういう問題じゃないのもわかってはいるんですよ!」
慌てるしぐれんに既視感を覚える。前にもこんな話をした気がする。注意をされてきちんと反省しているはずなのに、堂々巡りだ。
「今度したら、毎晩おやすみコールするぞ」
強めに言うと、青白かった肌が赤くなる。いい歳して、子供みたいに世話を焼かれてはずかしいのだろう。
これが歯止めになればいいんだけどなぁ。
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