第37話

「タクシー来てますよ」


「先生、俺がそんなに邪魔ですか?」


「はい。守は太郎と遊ぶ予定なんで」


「太郎?」


「犬の名前だよ」


「ふーん?」


柊はぜーんぜん興味なさそう。みどりは俺を心配してなのか、柊を追い出そうとしてる。学校でもこんな感じだったんだろうか?


「柊、気をつけて」


「お前、以原先生の言いなりになるなよ!じゃあな」


なにその言いなりって。あっという間に帰った。部屋に戻り、ソファーに座ると。みどりが手を繋いできた。


「今日は気持ち悪くないよ。キスする?」


「え?…え、今?」


「しない?」


「する…」


柊に話せて満足して、さらに満足して。今日の俺は高まってる。


「守を、開発しちゃお」


「それ、…なんなの。敏兄ちゃんに話してたよね…」


耳を手で触られてるだけなのに、気持ちよくてやばい。何を話してたっけ…忘れてしまったな。


「舐めたほうがいい?」


「ふぁ!」


こ、これは…やばいや。あ〜もー!


「あっ、だめだって…」


「だめ。もっと、やるよ?」


結局言いなりだ。犬みたいに可愛がられてる。だから、俺だって犬みたいに扱いたいけど、それはまだできない。


「今日は柊くんの前で手を繋ぐなんて。なんて大胆なの?いい子ね〜?」


髪の毛をぐしゃぐしゃーっとされて、されるがまま。太郎、お前もこんな感じになってる?


「でも、柊くんはそこは全く見てないね。あの人、周り見えないんだよなぁ〜」


教師の発言。柊、いつまでも生徒のようだよ?

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