第21話

「零くんは、細川くんとなんで知り合い?」


「隣の家に住んでました」


「えー、まじ?あの前住んでたボロいやつ?」


「…そうです」


「そんで?嫁とか、学校の子?」


「違います…実くんも知ってる子で、たまたま仲良くなって」


「ふーん?」


「東京ではモデルやってます」


「…え?モデル…?モデルではなんて名乗ってる?」


「ほのかです」


「…そうなの?…へぇ、なるほど…」


それはうちの事務所の子だ。たしかかわいい感じの子だ。やっぱモデルのプロフィールだけでも、早めに見せてもらえないか言うかな。

すると、入り口でタクシーが止まった。あ、みどり。


「守〜お疲れ様。お昼ごはんまだだよね?」


「え、あれは…どなたでしょうか?」


「嫁」


「ええ!?あ、あ、足助先生が?」


そんな驚くな。最低じゃん。


「こっちは零くん。青森動物病院に来てたんだ」


「そういう知り合いなんですね…どうもお世話になります」


「…あ、はい…こちらこそお世話になっております」


「細川くん呼んでこよ」

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