第13話

「どうも、兄の敏です」


「あ、れ?…病院の先生ではないですか?」


「ええ。いや、守になにも知らされてなくて。さっき聞いて驚きました。担当変わった方がいいですか?」


「いえ。大丈夫ですよ。私も知らなくて、申し遅れてすみません」


礼儀正しいなぁ。そして、守より背が高い。そして、胸は大きめである。守が甘えまくってるに違いねぇ!キスマークすげぇあったし。それで病院に来ちゃう彼女も、なかなかいいねぇ。


「ご飯作りましたので、食べますか?」


「はい。息子らも連れてきます」


「わかりました」


ひぃー。こんなしっかりした女子とか、すごいなぁ守は。どこの誰なんだ?合コンでこんな女子いなくない?やっぱり職場なのかー?


「守、ご飯食べるぞー」


「え、今?」


「お前の嫁が俺らのまで作ってて」


「ふーん」


かわいい守め。やきもち焼くか?ひぃー守最高!走って息子らのところへ。


「おい、優!守の嫁は俺の患者だ」


「…え、病気?」


「いや、妊婦だ」


「はぁ?うそ…守お兄ちゃんって…やっていいの?」


「下品なこと言うな!できるぞ!」


こんなこと言ったら怒られるから、守には言ってなかったが。


「わー!そうなんだ!おめでとうって言わないと!」


「艶耀…お前無邪気すぎる…」


「でも、赤ちゃん産まれたら別れちゃうんじゃないか…心配」


「そりゃあないな!守は溺愛してるし、彼女もまんざらじゃないはず。守はすごいかっこいいし、頭もいい。優とは違うぞ」


「意味わかんねぇよ」


「確かに、守さんすごい優しい」


「うそうそ!えんよーはよそ者だからよそ行きな顔してんだよ!」


「優はなに怒ってんだ。さー飯だ!」


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