第4話

「ちょとー答えてよ」


「別にいいじゃん」


「いや、それみんな知りたがってる」


「やだよ、教えない」


「へー?」


にやにやするなよ!


将希まさきにも言ったら驚いてたよ。足助が他人と暮らそうなんて、どういう心境の変化?だと」


桃川さんの旦那は、俺に何かと優しくしてくれる人物だ。


「別にいいだろ」


「いやいや、心配してたって。疲れて倒れてしまうんじゃないかって」


「バカにするなよ」


「私、以原先生知ってるけど、めっちゃ真面目な人で、息が詰まらない?なーんか冗談言ってもスルーなんだもん」


…それは、仕事モードなやつだな。


「心配しなくても大丈夫だし」


「じゃ、将希に電話してやってよ」


「ふん!いつも構ってくれないくせに、なんなんだよ。みんなひどいよ」


桃川さんの家に行っては、全く足助は…また来たな?みたいな感じに言われていた。今の俺ならわかる。邪魔。うざい。出て行け。それなのに、気安く家に入れてくれたんだった。


「昼は休憩してるはずだから、出ると思う。じゃ」


桃川め。そのまま屋上からでてった。

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