第8話 モビルフォースとの対決
「ミニスター! ホバー走行準備」
「了解」
「対空兵装、および主砲発射準備」
「了解」
「何なに? どうなってるの?」
「ビアンカ、起きたのか?」
「いやいや、こんなアラーム鳴ってちゃ目が覚めるって」
「対戦車ミサイルが三発、低軌道で正面から」
「おおう、ヤバイじゃん」
「こっちも加速して一気に距離を詰める。全速を出せ!」
「了解」
タービン音がさらに甲高い音質となった。そして車体がふわりと浮いた。
「行っけえ!」
ビアンカが叫ぶのと同時に体がシートに押し付けられる。まるで航空機のような加速だった。
「速度80……100……120……140……」
カウントしているのはAIのミニスターだ。戦車ってこんなにスピードが出たのか?
「200……220……240……限界速度です。ミサイル着弾まで12秒。接敵まで240秒」
えっと、17キロメートルを4分で走破するのか? それよりも、ミサイル着弾だって?
「着弾まで9秒」
非情なカウントが続く。
「ミサイル迎撃は翠ちゃんの仕事だよ」
マジかよ。自動で迎撃してくれるんじゃないのか?
ヘルメット内のARディスプレイにミサイルのマーカーが出て来た。その脇に、文字で操作方法が表示されている。
『瞬きを二回した後の眼球移動で目標をロックオンします。その後、瞬き二回で発射します』
瞬き二回がスイッチオンって事か。
私は瞬きを二回して三発のミサイルをロックオンし、そして瞬き二回でレーザーを発射した。オレンジ色の光の束が正面の空間を切り裂き、正面でミサイルが爆発した。
湧き上がる爆炎の中を駆逐戦車が突き抜けていく。その後、遠方に目標を視認した。距離は12000メートル。
ははーん。こういう時、背の高い人型機動兵器は目立って的になるのか。逆に戦車は車高が低いから遠距離では狙いにくい。
「翠ちゃん。主砲発射。距離がある今がチャンスだよ」
「わかった」
またまたヘルメット内のARディスプレイに操作方法が表示される。目標選択と弾種選択は眼球の移動と瞬きで。発射は手元のレバーを握ってからトリガーを引く。とっても簡単だ。
点滅しているアイコンを見つめ、瞬きする。一機を捉えた。弾種は
私は目標をロックオンし、トリガーを引いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます