第3話 強制脱衣

「えええ? 何をするんですか?」


 怯えた表情で後ずさりする星子だが、彩花は一歩前に出て星子の肩に手をかけた。


「大丈夫だ。やるのは服装検査だけ。痛い事はしない」

「服装検査ですか? 痛い事?」

「ああ、そうだ。服装検査だ。ちょっとくすぐったいが我慢しろ」


 彩花の意図を悟ったのか、知子と羽里が星子の両脇に立つ。そしてニコンの一眼を構えた椿がカシャリカシャリとシャッターを切っていいる。


「さあさあ。星子ほしこちゃん、笑って笑って」

「ええ? こんな状況じゃあ笑えませんよ」

「じゃあこうしてやる」


 何が起こるのか。不安だらけで後ずさる星子を彩花がギュッと抱きしめた。彼女は左手で星子の後頭部を支え、右手で背をさすっている。そして星子の耳元にふうーっと息を吹きかけた。


「あああん♡」


 途端に星子の体から力が抜ける。彩花の右手は星子の背中のファスナーを掴んで引き下げる。そしてバニースーツを掴んで一気に引き下げた。


 星子はビクッと身体を固くしたが、彼女の両腕を知子と羽里が掴んでおり、星子の豊満な胸元がその場に晒された。再び椿が数度シャッターを切る。


「ほほう。これは」


 星子の胸を食い入るように見つめる彩花だ。星子は恥ずかしそうに横を向いて俯いた。


「チューブトップタイプだな。ワコールか?」

「はい……」

「ほう」


 星子が付けていたのは黒のチューブトップブラだった。彩花がその上端をつまんで下に降ろす。星子は「きゃっ」と小さな悲鳴を上げたが両腕を掴まれているので身動きが取れず、体をくねくねと揺らすだけだった。


 プルンとまろびでるたわわな乳房とその上で揺れているピンク色の乳首。彩花はそこにふうっと息を吹きかける。


「はうん♡」


 星子はブルブルと小さく体を震わせた。


「このブラは、パッドが入っているんだな。ほうほう」

「着脱できます。星子ちゃんの胸に合わせたLLサイズです」

「なるほど……」


 ブラの解説をしたのは波里だ。彩花は黒いチューブトップブラを触りその感触を確かめている。


「伸縮性のあるチューブの中にパッドが仕込まれているな。椿、写真は撮ったな」

「バッチリよ」


 彩花は頷きながらブラを引っ張り上げて星子の胸に装着した。下から星子の胸を触りながら、プラのカップに上手く胸の肉を収めている。


「悪かったな。他の二人も同じものを身に着けているのか?」

「いえ、私たちはヌーブラです。シリコン製の使い捨てタイプですけど」

「見せろ」


 返事をした波里を捕まえた彩花が、素早く背のファスナーを降ろしてバニースーツをずりさげた。プルンと零れ落ちる波里の胸に張り付いている黒いシリコン製のブラ。それは肩紐も何もなく、胸に張り付けるパッドのみが波里の胸を支えていた。


「はあん。彩花様先輩……手際が良すぎます」

「有原。君もなかなか素晴らしい胸を持っているな。将来有望だぞ」

「それほどでも……えええ?」


 彩花は器用に波里のヌーブラを剥がした。波里の胸がブルンと揺れて露わになる。


「これが噂のヌーブラか。これでも意外と胸を支えているんだな」

「はい……でも、星子の胸は大きすぎてヌーブラでは支えきれなかったのです」

「それでチューブタイプにしたのか」

「はい。星子の胸を支えるために仕方なく」

「なるほどな」


 彩花は波里の胸を撫でながら、今外したばかりのヌーブラを波里の胸に張り付ける。波里は頬を赤らめ「感じちゃう……」と小声でつぶやいた。


「おい、綾川。背中を見せろ」

「え? 背中でいいんですか?」


 知子は首を傾げながらくるりと体を捻り、彩花に背を見せた。


「このラインは……チューブトップだとブラがはみ出すな」

「そうです。だから、星子の衣装だけ背中のラインが違うんです」

「ほほう」


 彩花は星子の背に回り、バニースーツを持ち上げる。そして知子の物との違いを見比べていた。


「これは……手製か?」

「はい。買ったのは波里のものだけで、私と星子の分は波里の手作りです」


 彩花は波里のスーツと星子のスーツを見比べ、また、その裏地も丁寧に確認していた。


「よくできているな。これはプロ級の仕事だぞ」

「えへへ」


 上半身がほとんど裸の波里がニヤニヤと笑っている。その姿も椿は一眼で撮り続けている。


「ふむ、上半身は理解した。確かにきちんと下着は身に着けている。では下半身はどうかな? 黒ストだが尻は丸出しでパンツはいてないとクレームがあったのだ」

「パンツですか」

「はいてますけど」

「ええええ?」


 知子と羽里は平然と答えているのだが、星子一人だけ酷く焦っていた。その表情を彩花は見逃さない。


「さあ三人ともパンツを見せろ。今すぐだ」

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