洋館とトランプ遊戯(3)[ポーカー一回戦]

そんなこんなで次はポーカーだ。

ポーカールールは先の通り。

此方も勝ちたいところではあるが、、、、面子が如何にも微妙なのだ。

皆鉄で顔の皮膚が出来ているのではと言うようなポーカーフェイスなのだ。いや、これに勝てと、、、中々な難題だ。

何せ何考えてるのか一ミリも分からん。いや、渡辺先輩は行けるだろうと思うだろう?ニコニコしているだけで分からんのだ。表情豊かに見えて何も分からない。

知っている人から見るとかなりのホラーだったりもする。

笑顔の底が見えないのだ。

と言うか恐らく自分よりもよっぽど眼が死んでいるだろう。

ハイライトない系のイケおじ、、お兄さんだな。

堤先輩なら行けるか、、、?いや、何気にポーカーフェイス上手いからなぁ。

営業スマイルの闇だな。

堤先輩は怒ると怖いタイプだ。

一瞬で空気冷やしてくる。あれはやられたくはない。本当にあれは怒られているのが自分でなかったとしても怖いのだから洒落にならない。

山極先輩は完全に運に負けたようなものだろう。あの人カード遊戯普通に強いし。

鷲尾さんは、、分からん。関わりがそこまで変わりが無いからどうなるか全く分からない。

自分はどうにも最初に堤先輩とのようだ。

「君でも容赦しないからね」

「が、頑張ってください」

「な、何か馬鹿にされてる気がするんだけど」

「気のせいでしょう。特に馬鹿にはしていません」

「、、、、なんか、憐れんでない?」

「はて、、、気のせいでは」

「酷っ」

「酷くないですよ。優太さんが顔に出過ぎなだけです」

「そうかなぁ」

「さっきジョーカー引いたときに出てましたよ」

「何も言えない、、、出ちゃったものはしょうがないじゃ無いか。本当に吃驚したんだから」

「そう言うところです」

カードを配る。

ワンペアはあって欲しいところだ。

「あ、一枚チェンジ。一枚頂戴」

早いですね。どうぞ。

さて、自分の手札は、、ツーペアか。だがハートのクイーンにキング、スペードのクイーン、キング、ある程度強い。フルハウス狙いで一枚交換するべきだろう。

「自分も一枚交換します」

「ふふ、どうぞ」

残念、フルハウスにはならなかった。

「ビット」

二枚出す

「レイズ」

四枚出している。

「大きく出ましたね」

「勿論。詰まらないからね」

「では、出しましょうか」

「うん」

先輩もツーペアだった。クローバーとハートの9のペアとダイヤとクローバーのキング。

「負けた、、、まじかぁ」

「先輩ルール分かってます?」

「分かってるよ。酷いなぁ」

「なら何で四枚も」

「君なら絶対勝てると思ったらかなり賭けてくると思ったからそんなじゃないのかなぁって」

「そんな単純じゃないですよ」

コインを回収する。

「次は負けないよ?」

「頑張ってください」

結局この後も目立つような役は出ずに終わった。

自分が十三枚、堤先輩が七枚になっている。

「負けた、、、強いなぁ」

「あなたの賭け方の問題でしょう」

「それは言っちゃダメ」

流石に一回戦でコインが無くなった人は居なかったようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る