上司への悪戯とメンバー

ー前日のことー

企画書も無事通り参加する人数ややることのスケジュールを印刷したしおりも配布出来た。あとは楽しむだけだ。

参加するのは佐山と自分を含め十二人。

日程の問題や興味の有無でこの人数に落ち着いたのだ。

嬉しいことに上の禿げどもは部下の仕事の出来がいいことにより仕事がさらに増え忙しく来れないそうだ。なんとも奇跡的ではあるが只々佐山と自分が計画的に上司の仕事を増やしただけである。

内心上手く行かなかったらどうしようかと思っていたが上手くいってよかった。

あの禿げどもが居ないだけでもかなりすっきりするのだ。

後は企画通りに進められればいい。

「おう、どうだ。お上の方々は」

「佐山、そうだなぁ、お上の方々は残念ながら忙しくて来られないそうだ」

「ふは、そうかそうか」

「良いだろう?」

「良いねぇ」

内心はざまぁないといったところだ。

しかしまぁ、こうも上手くいってくれると楽しくて仕方がない。無能な上司は早く左遷されて仕舞えば良いと思う。


こうして只々楽しい企画が始まるのであった。

だがしかし楽しいはずであったこの企画は阿鼻叫喚となる。

なぜと言われれば簡単だ。

人が一人、死んでしまうからである。

当然ながら企画は中止される。

事件性が高いとされ、事情聴取が行われる。

嗚呼、皆怯えて可哀想に。

殺人鬼が居るのだから仕方ない。

怖くて仕方ないだろう。


ー当日ー

時間通りに人数も揃い、ペンションに向かう。

今回参加してくれたのは以下のメンバーだ。

企画側である自分と佐山悠平と参加者である辻川花音、鷲尾美希、木島愛、中山桃華、配島深雪、堤優太、足立修介、渡辺健一、横手肇、山極崇人の十名だ。

メンバーの殆どは実績が凄い人ばかりだ。

同期である佐山と自分のタッグは勿論、見た目だけではない辻川嬢にエリート幼馴染組な鷲尾美希と横手肇、自分達の先輩でかなりお世話になった堤優太先輩と山極崇人先輩に足立修介先輩、仲良し後輩組の木島美希と中山桃華に配島深雪、今回の参加者の中では1番の古株にして一番のまとも枠渡辺健一先輩。実績、信頼共にトップクラス。そして優しいし顔もいい声もいい、、、、バレンタインは羨ましいとか思っていない。

まぁ、要するに問題なんて起きるわけもないようなメンバーだ。

何も心配するようなことはない。事前のアンケートでアレルギーや持病も特にないことも分かっている。

実に心持は軽い。

二泊三日の今回、初日は事前に割り振られた担当が料理を作るという共同作業をした後のんびりと星空観察でも、自室でゆったりとでも、というふうに自由だ。

自分が見たかっただけとかでは決してない。決して。

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