第3話 仲間を守りながら戦うと言う事
「フィリオーネ、作戦とかって……」
「なるべく近くにいるから、自由に動いていいよ!」フィリオーネがニッコリした顔を向けてくる。
「それだけ?」
「魔力の層が多い相手向けの結界を使ってくる可能性があるけど、今回は単発の攻撃を何パターンかやってくるだけだと思う」とフィリオーネ、中庭の反対側に待機している9人を見ながら。
「魔力の層が多い相手向けの結界って言うのは?」
「魔力の層の差が1層あるごとに、ダメージが半分になるの。だから普通に考えたら、魔力の層の差があるほど勝敗は決まっているの。だけど参加した人たちの魔力の合計で発生する最低限の魔力の層で相手の身体の中にある最大の魔力の層の数を超えると、相手を封印できるって言う魔法があるの」
「魔力の合計で発生する最低限の魔力の層って?」
「魔力10ポイントにつき、魔力の層1つね」
「ふう~ん、そうなんだ」
「あなたのお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんコア数が多くて魔力総量があるから、封印魔法を使われたらまずいね」
「対抗手段は?」
「にげる?」とフィリオーネ、首をかしげながら。
「それでは決闘を始めます」お母様が、ぼくとフィリオーネを見ながら言った。
「決闘? 決闘なの?」ぼくがあわてて聞き返すと。
「相手の命を奪わない事。大きなけがもさせない事」お母様が言葉を付け足す。
「そうだよね。びっくりした」
30メートル離れてお互いに並ぶ。
「はじめ!」お母様が号令をかける。
まずは身長が低くて胸の大きいメイドさんとワイルドな感じのメイドさんと剣を持ったメイドさんが、走ってくる。
その後ろから残りのお父様たちが、メイドさん達をまきぞえにした広い範囲を炎でおおう。
「ちょっと! メイドさん達死んじゃう!」僕が叫んでいる横でフィリオーネが、僕とフィリオーネだけを球状の光のカーテンでおおう。
剣を持ったメイドさんが炎の中からフィリオーネに切りかかり、残り2人のメイドさんが焼け焦げ後の無い姿で僕に飛びかかってくる。
フィリオーネが剣をよけ残り2人のメイドさんに順番に424グラムの身体で体当たりして、かなり派手に弾き飛ばす。
「あれ? もしかして魔法ってダメージ与えたい相手を選べる? それなら、キ●アのあの技も安全に」全身に雷をまとう、その間にフィリオーネは残りの剣を持ったメイドさんに424グラムの身体で体当たりしてまた派手に弾き飛ばす。
「雷まとっても痛くないし、これなら電気の負荷を肉体にかけて潜在能力を超えるスピードを引き出す
その間に身長が低くて胸の大きいメイドさんとワイルドな感じのメイドさんが復活して、また僕に飛びかかってくる。
「
メイドさん2人がしゃがみこんでうずくまる。
「こっちのメイドさんの動きも止めておいて~」とフィリオーネが剣を持ったメイドさんの剣を、かわしながら言った。
「
それを見届けるとフィリオーネは、光り輝く粉みたいな魔法を中庭全体にばらまいた。
「なに? その魔法」
「ほら!」とフィリオーネがメイドさんたちをひっくり返してあおむけにすると、メイドさんたちは眠っていた。
「本当は全員眠らせようと思ったんだけど、あなたの家族は抵抗に成功したみたいね……」とフィリオーネが炎におおわれた中庭を見ながら言う。
「フィリオーネの魔法の方が強いんじゃないの?」
「身体から離して使う魔法は一般的には魔力の層が目減りするって言われてるの、その目減りした魔力の層なら抵抗できた人たちが最低でも1人はいたみたいね」とフィリオーネ。
「なら直接触って魔法かければいいんだ?」
「まずはどしゃぶりの雨を降らせて炎の壁を消すでしょ、その後直接触って魔法をかけて回ろうと思うの」とフィリオーネ。
「でもメイドさんたちを燃やさなかったみたいに、雨に強い炎だったらどうするの?」
「炎と言う属性にしている以上水に弱いって言うイメージは消しきれないの、それに雨に強い炎でも消しちゃうぐらいすごい雨ってイメージで魔法を使えばいいだけだし」とフィリオーネが言いながら天に向かって魔法を使う。
光り輝く魔力が空に昇っていき雲をつくる、するとどしゃぶりの雨が中庭にだけ降ってきた。
「この雨、身体と服が濡れない?」
「うん! あっちの人も濡れてないよ!」とフィリオーネが中庭の向こうを指さしながら。
中庭をおおっていた炎の壁は虫に食べられるように、ぼろぼろになって消えていく。
「さあ第二ラウンドよ!」とフィリオーネがやる気満々で言う。
「
「え! あれ? 頭上から雷落とすはずだったのに身体から飛んでくし、雷にしては速度がすごく遅かったような?」
「属性に変換しきれてないのと魔力を飛ばす練習をしてないからね」とフィリオーネ。
「
「
「なんらかの属性に変換すると後で魔力を回収しようと思った時に、魔力の目減りがひどいのよ」とフィリオーネ。
「え? 魔力回収できるの?」
話しているうちに炎の壁は消えて、お父様たちが飛びかかってくる。
フィリオーネの方に行ったのが、棒を持ったハリーおじい様・長い槍を持ったエドワードおじい様・光り輝く剣を持ったルークお父様。
相手の命を奪ったり大きなけがをさせないようにって言ってたのは、何だったのか。
ちなみに僕の方に来たのは、笑いながら素手で向かってくるクレアおばあ様・顔だけ出した金ぴかの全身鎧を着て腰に剣をはいているがやっぱり素手のアリスおばあ様・なぜか毛布を持って迫ってくるソフィアお母様。
「さっきの速くなるやつで、順番に動き止めていってくれない?」とフィリオーネが棒と長い槍と光り輝く剣をよけながら、軽い感じでぼくに言う。
「
金ぴかの鎧を着ている分動きの鈍そうなアリスおばあ様に手のひらから電撃を押しつけて動きをとめる「
毛布を燃やせる設定にした電撃を毛布ごしにソフィアお母様に押し当てる、すると毛布が燃えるどころか一瞬も動きの止まらなかったソフィアお母様によって毛布にくるまれる。
「守るべき相手を捕まえられたんだから、勝負ありね!」とソフィアお母様が勝利を宣言した。
毛布から出るとエドワードおじい様とルークお父様が倒れていて、フィリオーネがソフィアお母様に文句を言っていた。
「こっちは5人倒したんだから、こっちの勝ちよ!」
「守るべき相手を捕まえられたら負けじゃないの?」とソフィアお母様がほほ笑みながら言う。
「そんなルール決めてないじゃない! そんな事言うなら眠らせた5人、眠らせたままにしちゃうから!」とフィリオーネが怒って言った。
「も~~しょうがないわね。引き分けで良いからみんなを起こして?」とソフィアお母様が余裕の笑みを浮かべながら、フィリオーネにお願いポーズで頼む。
「赤ちゃんの名前は?」とフィリオーネが、ソフィアお母様をにらみ付けながらきつめの言い方をする。
「つけていいから!」とソフィアお母様がたのしそうにしている。
フィリオーネが腕をかかげながら中庭全体を見渡すと、光り輝く魔力が中庭全体から集まってフィリオーネに吸収されていった。
「それが魔力の回収?」
「うん! そうよ。あたしが使った魔法全部から、魔力の回収したところ」とフィリオーネが元気に言った。
「所で、僕の名前決まった?」
「アルヴィン!ってどうかな?」とフィリオーネがもじもじしながら言う。
「いいんじゃない?」
「そう? よかった~~」フィリオーネが輝く笑顔になる。
そうしている間にお母様たちに起こされたみんなが、起き上がってくる。
「赤ちゃんに戦い方おしえながら一緒に戦ってくれていたのに、負けちゃったか~~」とルークお父様が頭をかきながら、ぼくたちに話しかけてくる。
「引き分けよ! 引き分け!!」とソフィアお母様が嬉しそうに訂正する。
「え? あの状態からどうやって?」とエドワードおじい様が不思議そうに、ソフィアお母様の顔を見る。
「では、赤ちゃんの名前は誰がつける事に?」とワイルドな感じのメイドさん。
「フィリオーネがつけちゃったわ」とソフィアお母様が残念そうにしながらも、すがすがしい笑顔を向けてくる。
「引き分けなのに勝手に付けちゃうなんてあんまりです!」と身長が低くて胸の大きいメイドさんが、フィリオーネをにらみつける。
「いやいや引き分けっていってもお母様の言いがかりでそうなっただけで、自質的にはフィリオーネの1人勝ちだからね?」
「まあ、ぼっちゃんがそう言うなら……」と身長が低くて胸の大きいメイドさんが、残念そうにしょぼんとする。
「今日はダンジョンで修業だ!」とルークお父様が突然叫んだ。
「言ってらっしゃいませ、お父様」
「お前の修業だぞ」とルークお父様がちょっと怒りながら、ぼくに言う。
「僕にはもうアルヴィンって名前があるんで! それにもう疲れました、今日は一日アニメ見たり漫画読んだり小説読んだりしてすごそうと思います」この世界の文字や言葉は日本語ではなかったが、なぜか読めたりしゃべれたりするので昨日は修業が終わった後アニメや漫画を読んですごしました。
「いやいや、岩とびペンギンみたいに一生懸命生きろって、言われてるんだろ?」とルークお父様が言ってくる。
「そんな昔の事、忘れました……」
「今ちょうどゴブリンといい勝負になる魔力の層なんだ! これを逃すと犠牲になったモンスターの命に感謝しない、ごうまんな赤ちゃんに育っちゃうんだ!」とルークお父様が力説する。
「それもそうですねアルヴィン様の護衛はまかせてください!」と身長が低くて胸の大きいメイドさんが自信ありげに言った。
「シャーロットあなたは留守番ですよ?」とクレアおばあ様が困ったように言う。
「なぜですか! 私もアルヴィン様に頼りにされたいのに!」と身長が低くて胸の大きいメイドさん、シャーロットさんが両こぶしを握りながらだだをこねる。
「仕事があるでしょ? それに行きたいもの全員で行っては、過剰戦力すぎます」とクレアおばあ様がため息をつきながら、メイドのシャーロットさんをさとす。
「なら、くじ引きだな?」とハリーおじい様がにやりと笑いながら言った。
「街の中のダンジョンならダンジョン探索許可証を作らなくてはいけませんから、保護者のルークとソフィアが行くのがだとうでしょう」とクレアおばあ様。
「あたしも! パートナーだから!」とフィリオーネが片手をあげてにこにこしながら名乗り出る。
「まあいいでしょう」とクレアおばあ様が許可を出す。
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