第7話クソリプぶひぶひ
「本人のアカウントであることを確認してツイートしています。息子は昨日、事故で帰らぬ人となりました。就活に励んで頑張って、就職先も決まって学生生活最後の旅行中での不幸でした。皆さんにはいろいろとお世話になりました。前途ある未来と希望に溢れた最中での訃報に今は現実を直視できない状態です」
『引用RT。はいはい。乙。同情いいね乞食の美談乙。それに群がる偽善者乙。さっさと次のガキ産めば解決じゃね。そんなことも分かんねえのばーか。息子も馬鹿なら親もバーカ。「本人のアカウントであることを確認してツイートしています。息子は昨日、事故で帰らぬ人となりました。就活に励んで頑張って、就職先も決まって学生生活最後の旅行中での不幸でした。皆さんにはいろいろとお世話になりました。前途ある未来と希望に溢れた最中での訃報に今は現実を直視できない状態です」』
「サッカーワールドカップ。ジャパンの健闘に勇気を貰いました。ありがとう!」
『引用RT。馬鹿なの。PKあれだけ止められてどこが健闘?あんな素人でも入れられるPK外してる時点で代表の資格なし。日本の恥だろ。どこ見てんの?このにわか。お前みたいな奴が渋谷の交差点で周りの迷惑考えずに何も分かってないのに騒ぐんだよなあ「サッカーワールドカップ。ジャパンの健闘に勇気を貰いました。ありがとう!」』
「久しぶりに自炊です♡思ってたより上手くできました(味の方は…保証しませんね)」
『引用RT。ヤリマンビッチが承認欲求目的で加工画像アップ?チヤホヤ目的が見え見えではずいね。うん。不味そう。てかスーパーのお惣菜皿に移しただけ。「久しぶりに自炊です♡思ってたより上手くできました(味の方は…保証しませんね)」』
次々と捨て垢で誹謗中傷テロを繰り返す人間。スマホを片手で操り、ショッピング感覚で人を傷つける人間。IPアドレス?情報開示?バカでしょ。こっちはたまねぎ(Torアプリ)入れてるし。特定不可能っしょ。こっちのトレンドは『カナダ』のトレンド表示だから。法規制?改善?前より手間がすこーーーーーー―しだけスムーズになっただけっしょ。携帯番号かメアドで紐付け?ログイン型?古参のアカウントにゃそんなの関係ないっしょ。はるか昔にバイト先のピッチを無断使用で作ったアカウントに辿り着けんの?
そんな『欲の臭い』に別の悪魔が反応する。こいつは極上だ、と。かつて味わったことのない欲。他人を不快にさせることで喜び、満足する欲。人間の三大欲求との言葉は日本だけのものである。そして現代の地球では欲がさらに進化し昔では考えられない、想像も出来なかった欲が多く生まれ、その種を広げていた。
「ことりあそびー」
学校。教室でクラスメイトに声をかけられる翔。翔のそばにはミラレスが。
『へへへ。お前のクラスメイトか?俺のことが見えたらすげえことになるだろな』
ミラレスの言葉をシカトする翔。当然である。ミラレスも分かっていて敢えて翔に話しかけている。
「なに?」
「お前のあだ名ってあだ名なんだけど実は正しい名字なんだよなあ」
『こいつを操作するか?』
「そう?僕は昔からだから違和感ないけどね」
「でも小鳥遊なら普通は『たかなし』だろー。将来、つーかこの学校の面接とかさあ、三者面談でも相手は心ん中では絶対ツッコんでるって。『いやいや。なんでことりあそび?たかなしだろ?いやいやいや』ってさあー」
「やっぱり?」
「当たり前だろ。俺が面接官なら絶対笑うわ。否、笑う。爆笑」
「そこまで言うなよ」
「今はキラキラネームが社会問題になってるけどさあ。お前の場合は名字だからなあ。親は悪くない。遠いご先祖様が悪い。いや悪くないけどね」
「それで」
「(おい。バレずに教室の後ろの隅を見てみろよ。またあいつタカられてるぜ)」
そして教室の後ろをさりげなく振り返る翔。二人のクラスメイトが一人のクラスメイトに向かってなにか言っている。ああ、いつものか…と思う翔。クラスメイトの下野と野島。進学校には相応しくない弱いものを数で束になっていじめる二人。普段は別のクラスの似たような連中数名とつるんでいる。単体では何も出来ないのに集団になると強くなるタイプの人間。翔はターゲットにされたことはなかったが気の弱いクラスメイトが何名か金銭を巻き上げられていると聞いていた。こういった人間を学校の教師は見て見ぬふりをしていた。そして翔はこういう人間が大嫌いだった。頭の中で何度も殺してきた。それを咎めない教師を軽蔑してきた。
「ちょっとごめん」
そう言って下野と野島の元へと歩き出す翔。
「お、おい。やめとけって…」
「悪魔さん。殺さずに攻撃だ」
『ようやく返事しやがったか。殺さずに攻撃か』
「実験だよ」
翔が実戦で悪魔の『特殊能力』を使う。
※悪魔はついた人間に相手にされなくても一人で勝手に喋っていることが多い
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