転生してパーティー決まったら……

「ではパーティーは“リバース”でよろしいですね。次に代表者を決めてください」



 意気揚々としてきた三人は一瞬とまる。そして再びお互いに顔を見合せた。


「お前、いかにもリーダーっぽいからお前やれよ」


 ルイがジェットをみる。


「いやいや、ぼくよりもあなたがいいよ。実年齢は二十代だよね」


 ジェットは慌てて首を横に振ると矛先をレイヤに向けた。


「なにいってんの。わた……いやいや俺はまだ12才だぞ。ルイが一番年上っぽいからいいんじゃないの?」


「そういうの。俺には無理。どうせ建前だろう?これは図体がでかいジェットだろう?」


「ムリムリムリ! 見た目じゃないよ! ここはしっかりしてそうなレイヤだよ」


 こんな風に再び譲り合い……というよりも押し付けあいが始まってしまい、いっこうに決まる気配がない。


 先程までにこやかな顔をして対応していた受付嬢だが、煮えきれない彼らに堪忍袋の緒が切れる。


「いい加減にしてください! だれでもいいでしょう」


「いえいえ」


「それは……」


「うんうん」


「あなたたちは気が合うのかあわないのかちっともわかりませんよ。仕方ありませんね。じゃあ、私がやります」


 受付嬢が突然手をあげて宣言するものだけら、三人ともあんぐりと口を開ける。


「じゃあ、おれがやる」


「わたしがやるわ」


「わたくしでもよろしいですぞ」


「おいらでもいいぞ」


「我輩がやるにゃん」



 いつの間にか少年少女、老人、ドラゴンと猫が手を挙げだす。


「じゃあ、俺も」


 レイヤが手をあげる。


「ぼくも」


 ジェットが手をあげる。


(なっなんだ!? このノリは!? どっかで見たことがあるぞ!)



 ルイはそう思いながらも


「じゃあ、俺がやる!!」


 おもいっきり手をあげてしまった。


「どうぞ。どうぞ」


 すると皆がルイに譲り始めた。


 どこかでみたことあるようなノリではあったのだが、とりあえず代表者はルイということで決定したのであった。






 そういうわけで死んで転生して、冒険者ギルドに集まった三人が組んだパーティー「リバース」の旅が始まった。














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リバース~異世界転生者たちの旅立ち~ 野林緑里 @gswolf0718

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