第156話 【エルドの頼み・1】


 師匠達からエルドさんが俺に頼みたい事があると聞いた後、俺は師匠達と共にエルドさんの部屋にやって来た。

 そしてそこで俺は改めてエルドさんの口から、俺に頼みがあると言われてその内容を詳しく聞いた。

 師匠から聞いていた通り、頼みの内容は荷物の配達で早く届けられるなら、その方が助かると言われた。


「アルフには移動に長けた従魔が二体も居るだろ? アルフが暇だと、アレン達から聞いて頼もうと思ったんだがやってくれるか?」


「勿論です! アリスの学園生活の補助以来のエルドさんからの頼みですから、誠心誠意そのお仕事をさせて頂きます」


「そこまで気合を入れなくても大丈夫だぞ? 向こうで必要な物資を届けるだけだからな」


 そうエルドさんから言われたが、俺にとっては今まで仕事という仕事を貰えず、お金だけ貰ってる生活をしていた。

 その為、ようやく仕事らしい仕事を貰えて、その事に俺は今まで感じた事のない程、気合を感じていた。

 その後、エルドさんは明日までに必要な物資を用意しておくから、出発は明日だと伝えられた。


「アルフ。さっきエルドさんが言ってたが、あまり気合を入れ過ぎるなよ? 変に気合を入れて失敗したら、アルフは相当落ち込むだろ?」


「……そうですね。仕事を貰えた喜びで、ちょっと興奮してましたけどそれで失敗したら元も子も無いですからね」


「アルフ君って普段は大人びた感じしていたけど、ようやく子供らしい一面を見れたわ。まあ、その見れた理由が仕事を貰えて喜び過ぎたってのが謎だけどね」


 フローラさんはそう笑いながら言うと、アルフィさんも「アルフ君っておかしいね」と笑いながら一緒に言った。

 それから明日の仕事の為、ウィストの街へ行くのをやめて寮の訓練場で軽く訓練をして、一日過ごすと予定へと変更した。

 そして訓練場へと移動すると、訓練を始める前にステータスの確認を行う事になった。


名 前:アルフレッド

年 齢:16

種 族:ヒューマン

身 分:平民

性 別:男


レベル:190

筋 力:34215

魔 力:39944

敏 捷:33569

 運 :91


スキル:【経験値固定:—】【剣術:10】  【属性魔法(9):—】

    【魔力制御:10】【従魔:10】  【調理:10】

    【指導:10】  【並列思考:10】【身体強化:10】

    【信仰心:9】  【気配察知:10】【魔力探知:10】

    【夜目:10】  【集中:10】  【冷静:10】

    【認識阻害:10】【鑑定:10】  【体術:10】

    【威圧:10】  【付与魔法:10】 【硬化:10】

加 護:魔法神の加護 武神の加護 獣神の加護

    大地神の加護 海神の加護


水属性魔法:10

土属性魔法:10

火属性魔法:10

風属性魔法:10

光属性魔法:10

氷属性魔法:10

炎属性魔法:10

岩属性魔法:10

雷属性魔法:10


「毎回思うけど、アルフ君のステータスって本当におかしなところが沢山あるわよね」


「年齢の割にレベルが高いってのもあるが、スキルの数が普通の人間とは桁が違うからな」


「それにスキルの数もそうだけど、加護の数もそうだよね」


 師匠達は俺のステータスを見て、改めて普通の人との差を比較していた。

 まあ、俺もアリスやレイン達にステータスを見せて貰ったが、自分のステータスとの違い過ぎて、俺がおかしい事は既に理解している。


「それとレベルやスキル、加護の数に隠れてるが能力値もアルフはおかしな事になってるからな」


「えっ、そうなんですか? そこは特におかしな所はないと思ってたんですけど?」


「アルフはレベルの割に能力値が高い。個々で違いはでるが、平均して考えるとアルフのこの能力値はレベル200越えじゃないと普通の人間は到達できないレベルだな」


 師匠からそう言われた俺は、そこまで普通の人との差があるのかと改めて【経験値固定】の凄さを実感した。


「アレン君、アルフ君のおかしな能力値は何もそこだけじゃないわよ? アルフ君の運の能力値だけど、運が90越えってほぼ居ないわよ」


「初めてアルフ君のステータスを見せて貰った時、他の所で驚いて見落としてて後でフローラちゃんに教えて貰って私も驚いたわ」


「まあ、確かにそこの数値もおかしいよな……」


「俺の運の能力値って、そんなにおかしいんですか?」


 そう聞くと、平均は70~80の値らしく、90越えの人間は極稀にしか居ないらしい。

 ルクリア商会でも、運の能力値が90を超えてるのは俺だけだと言われた。

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