第143話 【迷宮でレベル上げ・4】
そうして数時間の場所の移動を経て、王都へと戻って来た俺と師匠達は真っ直ぐ商会へと帰還した。
馬車と馬を商会の人に任せ、商会の建物に入りエルドさんの所へと向かった。
「まさか、アルフィも王都に戻って来るとはな……アルフィもアルフの師匠になったのか?」
「師匠という程、そんなに教えてませんけど、アルフ君の成長が気になったので付いてきました」
「お主もアルフの才能に惚れたと言う訳か……それで、今回の迷宮探索では、どれ程成長したのか聞かせてくれるか?」
エルドさんがそう聞くと、師匠は今回の迷宮探索での成果を話し、それと同時に俺はエルドさん達にステータスを見せた。
「……たった数日でこれ程とはな、それにずっと確認出来なかった加護も確認出来るようになったんだな」
「はい。アルフィさんの家で、神様の像に対し祈りを捧げたら確認出来るようになりました」
「ふむ、神の像か……以前から、教会に行こうと話には出ていたが行けていなかったが、もっと早くに行ってればよかったな」
その後、報告会を終えた俺は師匠達とは別れて、寮の方へと向かい部屋に入り、寮に向かう前に商会の受付で貰った手紙を読み始めた。
差出人はウィルだったから、近況報告の手紙かな?
「……嘘でしょ」
手紙の内容には、予想通りの近況報告が書かれていたが、その中には今の冒険者ランクも書かれていた。
ウィルと最後に別れた際は、同じランクだったのにこの少しの間にウィルは銀級冒険者にランクが上がったと報告が書かれていた。
「忘れていた訳では無いけど、こんなに早くにランクを上げるなんて思わなかった……」
負けてしまった悔しさは勿論あるが、ウィルの頑張りに素直に凄いなと感じた。
「でも負けてられないな、このまま再会したらウィルに負けたまんまだし、俺も頑張らないと!」
時間なら沢山あるし、明日明後日はアリス達と訓練をすると思うから来週はレベル上げでは無く、冒険者活動をメインに動きたい。
そう考えた俺は部屋を出て、師匠達の所に向かい来週は冒険者活動をしたいと伝えた。
「レベル180って、レベルだけ見たらもう白金級冒険者と変わらないね」
「スキルの数も合わせたら、白金級冒険者と今でも張り合えるんじゃない?」
翌日、アリス達と寮の訓練場に集まった際にレベル上げの成果を伝えた。
すると、アリス達は俺のレベルに驚き、そんな事を言われた。
「まあ、でもレベルや能力値は高いけど、白金級冒険者の人達と比べたら俺は圧倒的に経験が足りないから、その差で負けそうだけどね。フローラさんも俺との訓練で、本来の実力が戻ったみたいで今じゃ普通に戦っても負けるからね」
フローラさんは俺と出会う以前から、一度大きな怪我をしてしまいそれのせいで力が落ちていたと、後から聞いた。
そうして俺の師匠となり、剣術を指導すると共に対戦相手として俺を使い、徐々に以前の力をフローラさんは取り戻した。
本来の実力に戻ったフローラさんの動きは凄まじく、やはり白金級冒険者とは凄い人達なんだなと再認識した。
「会ってない数日間でまた新しいスキルを習得してくるって、本当にアルフだけだよねこんな事が出来るのは」
翌日、アリス達の訓練をする為に皆と訓練場に集まり、この数日間の事を皆に話をした。
「【付与魔法】だっけ? それって、どんな事が出来るの?」
「色々と出来るよ。剣に魔力自体を付与する事で、剣の強度を強化する事だって出来るし、スキルを装備とかに付与して使う事も出来るね」
そう俺は言いながら、剣に【火属性魔法】を付与をすると〝火を纏う剣〟が完成した。
「スキルを覚えやすいアルフからしたら、かなり使い勝手の良いスキルだね」
「うん。今後は付与で使えるスキルを習得していこうかなって考えてるね」
「そういう考え方でスキルを覚えられるのは、本当にアルフだけだよ」
レオルドから呆れた表情で、俺はそう言われた。
その後、雑談は終わりにして真剣に訓練に俺達は取り組んだ。
そうしてその日は商会にレオルド達は泊り、久しぶりに夜遅くまで皆と一緒に楽しく過ごした。
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