第140話 【迷宮でレベル上げ・1】
あの後、迷宮に到着した俺は師匠達と一緒に迷宮の中へと入り、直ぐにレベル上げを始めた。
基本戦闘は俺が行い、危険が無いように師匠達が周りの索敵を行うと言うやり方をとっている。
ただし、周りの警戒も訓練の一つなので頼りっきりでは無く、時折師匠達がワザと魔物を俺の方へとやるので対処する訓練も行っている。
「アレン君、アルフ君って長時間の狩りに慣れてる様子だけど、今までもこんな風に訓練してたの?」
「ああ、ただあれでもかなり余裕を持って戦ってるぞ。アルフは体力もかなりあるからな」
「それは一緒に訓練してたから知ってたけど、あんなに動いて全く動作が変わらないなんて凄いわね……」
後方で師匠達がそんな話をしてる事に聞きながら、俺は狩りを続けた。
そうして朝から迷宮に既にお昼を回っており、安全地帯でお昼休憩をする事にした。
「まだ数時間しか、かなりレベルが上がりました。人気が無い分、魔物のわきも良くていいですね」
「情報通りで良かったよ。アルフの場合、数が居ないとレベルが上がらないからな」
「アルフ君、見た感じそんなに疲れてないけど、まだ狩りを続けられそうなの?」
「はい。まだ数時間しか狩りをしてませんし、本気で戦ってる訳ではありませんから全然余裕ですよ」
フローラさんの質問に対してそう答えると、フローラさんは「若さなのか、アルフ君がおかしいのか分からないわね……」と言った。
「これでも最初の方は普通だったから、体力が上がったのもアルフの頑張りだな」
「最初はただの貴族の子でしたからね」
「それが驚きよね。今じゃ、国も欲しがる強さを持ってるのに数ヵ月前までは貴族の子だったなんて」
「私もその話を聞いて驚いた。数ヵ月でここまで人が変われるなんて、アルフ君の持ってるそのスキルは本当に凄いんだね」
そうして30分程休んだ俺は、再び迷宮探索を再開してレベル上げを続けた。
それから更に数時間後、初日のレベル上げは終えて安全地帯へと入り、夕食の準備を始めた。
初日の成果としては7レベル上げる事が出来て、まずまずの成果だなと自分ではそう思った。
「レベルが100を超えていて、たった数時間で7レベルも上げるなんて凄いわね……」
「こんなにレベルを上げられる人、初めて見たわ」
俺のレベル上げを始めてみたフローラさんとアルフィさんは、そう俺のステータスを確認しながらそう言った。
その後、夕食の準備を終えた俺は皿に盛り付けて、夕食を食べる事にした。
「魔法と剣の才能があって、これだけの料理が作れて性格も良い……エルドさんがアルフ君の事を大切にしてる理由の一つでしょうね」
「エルドさんがアルフを可愛がってるのは、単純に出会い方が特殊だからだと思うぞ? アルフは俺達と同じように拾われてるが、エルドさんの恩人でもあるからな」
「その話、さっきフローラちゃんから聞いたけど、アルフ君が居なかったらエルド様は呼吸困難で居なくなってた可能性もあるんだよね。本当に奇跡だね」
「俺が居なくても周りには人が居ましたから、助かっていた可能性はありますけどね……」
まあ、あの時の事を思い出すと周りの人は俺が動くまで、特に動く気配がなかったから絶対にそうだとは言いきれない。
「エルドさんがアルフを気に入ってる要因としては、強さとかよりもアリスと仲良くなれた事の方が俺は大きいと思うぞ。あそこまでアリスと最初から仲良くなれたのは、アルフがはじめてだと思うからな……アルフが居なかったら、アリスは今頃学園を退学になっていた可能性もあるからな」
「あ~、確かにそっちの方が大きいわね」
師匠の言葉にフローラさんは納得して、アルフィさんも頷いていた。
その後、夕食を食べ終えた俺はお風呂の準備をして、順番に体の汗と汚れを落とした。
「まさか、迷宮の中でもお風呂に入れるとは思わなかったわ……色んなスキルを持ってるアルフ君が居るから出来る事ね」
「アルフ君、お風呂の準備ありがとう」
フローラさんとアルフィさんは、迷宮の中でも風呂に入れたことに満足した様で嬉しそうにそう言った。
そうして夕食と風呂を済ませた後、明日も朝早くからレベル上げをするので早めに寝る事にした。
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