第十一百合「学校の地下へ」
4時間目、みゅーを保健室に寝かして、私はトイレにこもった。
この後の昼休みになるちょっと前に停電する。
そしたらここを出て地下の入口に行く。
《ピピッピピッ》
「わわ!びっくり。」
久しぶりに受信アラームを聞いたためびっくりしてしまった。
「ど、どうしたの?」
「ふふ、大丈夫?緊張してる?」
「いや、そこまでは……」
「そっかー、私は制御室にいてめっちゃドキドキしているよ。」
「へぇ~私も行って見たいな。地下に行った後だね。」
「んじゃ、電ブレーカーを落とすよ。」
「うん、分かった。」
「3……2……1……えいっ!」
その声で、学校は停電した。
私が持っている学校のインフラ情報も消え、オフラインになった。
「OK!行くよ!」
そして、集合の階段に向かう。停電して、各教室から困惑している声が聞こえる。
教室から先生が出てくる可能があるため、少し遠回りする。
そして少し時間が掛かったが、誰にも見つからずに集合場所に着いた。
すでに彩穂は到着していた。
「遅いよ~先生にバレるかと思ったじゃん。」
「ごめんごめん、教室の前を通らないようにしたから遅くなっちゃった。」
「そうなんだ。なら仕方ないか。」
「さて、行くよ。学校秘密を暴くよ。」
そうして、地下のドアの前までやってきた。
「へぇ、生体ロックか。でも、あの時は開いていたの?」
「うん、開いていた。どうしてかは分からないけど。」
「不用心だね。さて、時間もないし、行くか。」
「蓮華、よろしくお願いね。」
「はいはい、分かったわ。」
私は腕の端末を操作した。
「あぁ、なるほど。オフラインだから直接接続しないといけないのか。」
「でも大丈夫。付けて置いて正解だった。えーと、左の柱に何かある……ドアの制御盤か。」
「カバーは鉄……だけど、横方向からの衝撃は弱い。なるほど……」
そして私は、一方下がって、筒状の鉄の柱を勢いよく足を横方向から蹴る。
すると、制御盤が現れた。弾き飛ばした鉄板は横の壁に当たって、彩穂に激突した。
「いだっ!」
「ごめん。だ、大丈夫?すっごい音したけど。」
「だ、大丈夫。腕に当たっただけだから。」
「それより。早く開けて。」
「分かった。」
「……はい。これで終わり!ドアのロックは解除出来たよ。」
「後は、このドアに非常用電力を割り当てないとね。」
そこで私は、おかしいことに気づいた。どうして地下施設に非常用の電力が来ていないのが気になった。
考えていても仕方ないので、使われていない教室の電力を地下施設に割り当てた。
「電力の割り当ては完了。セキュリティの解除をするね。」
「分かった。私は周りの監視しているね。」
「了解!」
「(さて、セキュリティはどんな感じなのかな。あの時はよく見てなかったから、ちょっと気になる。)」
「えっ?」
またしても、不可解なことになっている。
「セキュリティレベル……
「えっ?
彩穂もびっくりした顔をしていた。
それもそう、
これほどの施設なら
「意図的にレベルが下げている?」
取り敢えずサクッとセキュリティを解除して。ドアが開いた。
「真っ暗だね。人のいる気配がない。」
「とりあえず電気のスイッチを探す?」
「いや、ここは一部だけにしておこう。警備員に察知されるとめんどい。」
「了解。分かった。」
私はデバイスを操作して必要な機械だけに電気を送るようにした。
「一応これで重要な機械だけに電気を送ったよ。」
「OK!確認して見る。」
そうして。彩穂は機械の操作パネルをいじっている。
「こ、これは……」
「ど、どうしたの?」
「あっ、これって……データが消されてる。」
「私も確認する。」
確認したがデータは全て消えていた。
「……復元できる?」
「絶対とは言えないけど、やってみる。」
「……なるほど、暗号化してから削除している。しかも非可逆的に。」
「じゃあ、できないの?」
「いや、この方式ならできる。最近見つかった脆弱性を使ったら。ただ、全て復元できるかは分からないけどね。」
「さすが、裏で活躍していたわけだね。」
「……知っていたんだ。」
「まぁね。結構有名だから。特にこういうことしている人たちにはね。」
「そう、なんだ。」
「……私はこの都市が何かを隠している気がする。」
「この都市のセキュリティシステムは死角がない。」
「常に監視されている。ここにいることも、何もしなければバレている。」
「私がいなければね。」
「やっぱり、私も薄々気がついていたんだよ。」
「ここは世界と隔離されていて、上が何かを計画していることは。」
「だったらさ。それを見つけようよ。ここにあるかも知れないよ。」
「彩穂……そうだね。きっとここにあるよね。私は引き続き解読作業をするね。」
「分かった。そっちは任せるね。私は何かないか部屋をくまなく調査するね。」
そして彩穂は引き出しなどを調べ始めた。
――しばらくして、彩穂が戻ってきた。
「ねぇねぇ。これってなんだろ?」
「これは……デバイスキューブだね。」
「デバイスキューブ?何それ。聞いた事ない。」
「簡単に言えば、補助記憶装置だよ。」
「これは特殊な機械でないと見ることも記録することもできない。」
「へぇ、そうなんだ。物知りだね。」
「まぁ、たまたまダークネットを覗いた時に知ったんだけどね。」
「確かにそこならそういうの情報は見つかるかもだけど……すごいね。」
「それはどうも。」
「えっと、これはどうすれば……」
「本当はここにあるコンピュータじゃないと開けられないのだけど。」
「なんでもこれ。脆弱性があるらしいよ。なんでも、端末情報を書き換えれるらしい。」
「取り敢えず持ち帰ろっか。」
「分かったわ。他にも何かあるか見てみるね。あと10分で昼休憩終わるし。」
「もうそんな時間か。それじゃ、このコンピュータの復元はみゅー家でするか。」
「しれっと来るのね。まぁ、いいけど。……あ、そういうことね。」
彩穂はニヤっとした顔をした。
私はよく分からなく、首を傾げるのだった。
そうして、私はこのコンピュータとデバイスを同期させた。
ほとんど資料は残されていなかったが、少しは収穫があった。
「よし、ここから出るか。」
「そうね。さて、授業に間に合うかな。」
そして私たちは急いで教室に向かう。
保健室を通った時、何かを感じた。
そしてドアを開けると、そこには……
人から猫になった女の子に恋しちゃった!? みるもるの家 @mirumoru
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