第八百合 満たされる心

「あら、遅かったわね。一体ナニをしていたのかしらね。」

その言葉に、私もみゅーも動揺してしまった。

「……まぁ、いいけど。別に、何をしようと私は構わないけどね。」

「さて、ちょっと大切な話しをするよ。」

急に真剣な表情になって困惑した。

「た、大切な話しとは?」

「……単刀直入に言うと、蓮華が言っていたところに潜入するわよ。」

「えっ、それって学校に?」

「そうよ!準備は既に思わっていて、何時でも突撃できるわよ。」

「き、危険だよ。何が起こるか分からないのよ?」

「分かってる。だけど、お姉ちゃんを助けたいんだよ!それは蓮華も同じでしょ?」

「そ、そうだけど……」

「それに、蓮華はクラッキングの天才なんでしょ?」

「ど、どうしてそれを!?誰にも言っていないのに……」

「まぁ、色々と情報が集まるからね。」

「政府的には、見逃しているんじゃない?」

「こんなにすごいクラッカーはそうそういないからね。」

「そうだったんだ……まぁ、顔を見られたことも数回あったからなぁ。ログだけ消すのは不十分だよね。」

「そうだね。顔を見られたのが痛かったね。でも、政府は見逃しているんだし、まだ大丈夫でしょ。」

「にゃ、にゃ~」

と鳴くみゅー、とても眠たそうにしていた。

「おやおや、お眠のようだね。よし、蓮華……一緒に寝ろ!」

「えっ……私?いやいや、姉妹で寝ないの?」

「そ、それは……大変なことになるから。」

「あー、察した。私も分かる。」

「にゃ?にゃぁ~?」

「分かったわ。んじゃ、一緒に寝よっか。」

「にゃぁ!」

「そうそう、みゅーの部屋を2階の突き当たりだよ。」

「おっけー、分かったわ。」

そして私は、みゅーを連れてリビングを出るのだった。


「行った……かしらね。さて、私は準備をしないとね。」

私は、術書の研究施設に潜入するための、秘策も準備をする。

どうして学校の地下に施設を作ったのだろうか。まぁ、その方が逆に見つかりにくい、灯台もと暗しってことだろう。

「……少し調べる必要があるかも知れない。私の秘策が効かない可能性があるかも。」

私は、宙に浮いている画面を操作する。

「この技術を作った人は凄いわね。空中に画面を設置できる。めっちゃ便利。」

「……さて、裏の顔を見つけてやる!」


♥♥♥


私はみゅーを連れて寝室に入った。

(積極的に距離を縮めたいけど、あんなコトがあったからちょっと気まずい……)

「えっと、みゅーはいつもここで寝ているの?」

動揺して当たり前の質問をしてしまった。

「(うなずく)」

「だ、だよねぇ~」

みゅーは私の服の裾を掴んで、ベットに先導する。

その仕草が可愛すぎて私も赤くなってしまった。

「にゃ」

するとみゅーは、私に抱きつきながらベットに押し倒した。

「わわ、急はびっくりするから……」

よく見ると、私の上にみゅーが乗っていた。

その姿は、甘えて欲しい顔をしていた。

私は、耳をずっと触ってみたい。でも、イヤかもしれない。なので私は確認することにしてみる。

「お願いがあるんだけどさ。えっと、その……耳、触ってもいい?」

そう言うと、みゅーは小さく頷いた。するとみゅーも顔を近ずけた。私はゆっくり耳に手を伸ばす。

「んっ///」

「ご、ごめんね。」

私は、パッと手を離した。するとみゅーは私の腕を掴んだ。

「(首を横に振る)」

「にゃにゃ!」

そして、私の腕を耳に移動させた。

「……なんかごめんね。私のためにこんなことして。」

「(首を横に振る)」

その刹那、体全体に温かい何かが伝わった。

突然ことでびっくりしたが、すぐに分かった。

みゅーが私に抱きついていた。私の体がみゅーの体温が伝わり、何故か眠たくなってしまう。

「そろそろ寝よっか。」

そう言うと、みゅーも頷いた。

だんだんと睡魔が来て――その時、口元に何を感じたが、眠気が限界で落ちてしまうのだった。

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