向かった先は
アンのおばあちゃん『サラ』は、家から一番近い町に向かっていた。
町は早朝というのもあり、静まり返っていた。
サラは、裏通りの
その家の内装は、どこにでもある洋風の家と変わらない内装だった。
ごく普通の家
サラはそんな家のドアを開け、家に入るとすぐドアの鍵を閉めて、ドアを2回ノックし、
「ミッチェルの名の下に移動せよ。テレポートインルリシア」
そうつぶやきドアを開けた。
するとそこは、さっきまでいた町の裏通りとなんとなく似ていたが、雰囲気が先ほどより暗い通りだった。
サラはドアの鍵を閉めて一人、小さな声で何かと話すかのように一人ぶつぶつとつぶやきながら歩き出した。
「ハル。アンの様子は?」
『今のところ普通だよ。特に取り乱したりはしてないみたい。あと、いつもの日課をやるようだよ。もうすぐ畑に行くみたい』
「そう。それならよかった。また確認するけど、それまでに何かあったら連絡して」
『OK』
サラは、風の精霊ハルと契約しており、アンが心配だったためサラはハルをもしもの時のため、家においてきたのだ。
サラは、ハルと会話しながら裏通りを抜け、ある場所に向かっていた。
ある門の前に着くとサラは立ち止まった。
その門は、とても高く大きくて頑丈な門であった。
すると中から一人の男の人が走って来た。
「お前何者だ。答えねば切り刻むぞ」
その男は、騎士団のようなグレーの制服を着ており、門の前に来ると腰につけていた剣のグリップに手をかけ、サラにそう言った。
「この私に向かってそんな言いようとは。この学園も落魄れたものですね。孫が心配ですわ。あなたの教育係が知りたいわね」
サラは、アンといた時の雰囲気とは全く違い、まるで「自分以上に上の存在はいない」というかのような振る舞いでそう言った。
「おまえ、ふざけるな。本当に切り刻むぞ」
「あら、さっきのは冗談だったのかしら。いつも冗談半分で過ごしていると、いつか自分に返ってきますわよ。それに、相手の名を訊く時は、先に自分から名を名乗るべきよ。本当にここが心配だわ。」
「おまえ・・・」
そんな会話をしていると、中からもう一人同じグレーの制服に、赤色の長いマントをつけた男がものすごい勢いで走ってきた。
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