おばあちゃんの作戦
「できるもん!!入試ぐらい、ちょちょいのちょいで受かるもん!!」
アンは意気揚々にそう言った。
おばあちゃんはもう少しアンが頑固に粘ると思っていたので少し驚いたが、このままならいけるかもしれない、そう思いこのまま受験させようと話を切り出した。
「じゃあ・・・」
「でも!!受けたくない!!」
アンはおばあちゃんの話を遮るように受験することを否定した。
おばあちゃんは、「なぜ!?今受験する流れだったじゃないか。でもまあアンのことだ、やはりこうなるか」と心の中でそう思っていた。
「なんで受けたくないんだい」
「受けたくないものは、受けたくない」
そう言って、アンは拒絶した。
だがこれは、おばあちゃんの手筈通りの状況であった。これはおばあちゃんにとってチャンスであり、得意な状況でもある。おばあちゃんが最終的に作りたかった状況はこの状況であった。
「わかった。じゃあアンは入試に受かるような知識も力もない人間なんだね」
「なんでそうなるの」
「だって入試を受けることを拒絶するじゃないか」
「でも入試を受けるのと、力がないのは違うことでしょ」
「いや違わない。どうせアンのことだ。入試を受けて不合格になるのが怖いから受けないんじゃないのかい??」
「それは・・・」
「入試を受ける勇気もないんだから、アンは入試に受かる知識も力もない人間以下だね」
「そんなことない!!」
「じゃあ入試受けるかい??」
「うぅ・・・」
「わかった。じゃあ、こうしようじゃないか。」
「え?」
「アンがそこまで、入試に受かる知識も力もない人間以下じゃないって言うなら、1校だけ受験して受かって学園に通えたら、アンは十分スローライフを送れる力がある人間だと認めてあげるよ。それともアンは、そんなことさえできない人間なのかな」
おばあちゃんは最後の方を強調しながらそう言うとアンはとっさに、
「できる!!できるもん!!」
そう言った。おばあちゃんは よし!!と思い少し微笑んだ。
「じゃあ、早速入試を受ける準備しないとね」
「うっ・・・」
「さてと、今日はもう遅いからとりあえず今日は寝ようかね。おやすみ、アン」
「おやすみ、おばあちゃん」
そう言って、二人はそれぞれ布団の中で、「ああ、どうしよう」とアンは不安になりながら、おばあちゃんは勝利!!と思いそれぞれ眠りについた。
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