愛の歌

バブみ道日丿宮組

お題:恋の音楽 制限時間:15分

「あのさぁ、歌わないのにカラオケくる意味ってある?」

「飲み物飲み放題じゃん」

「それだったら、ファミレスでいいんじゃない? サイドメニュー高くないし」

「二人っきりの空間がいいの!」

「うーん、私は別に気にならないけど」

「気にして! 学校一の美少女!」

「別に美女ってほど美女じゃないと思うけど、注目だってされない」

「自分を下げないで、あげてこ! いつもみんなに見られてるから!」

「私より君のほうがずっと可愛いと思うんだけどな」

「なっ!?」

「美女との比較ではないけど、うん。可愛いよ」

「そ、そうやってすぐにからかうんだから!」

「いいじゃん。可愛いは正義っていうじゃん」

「言わないよ」

「じゃぁ、付き合うのやめる?」

「やめない!」

「あぁ、もう! コーラ勢いよく吸うから、口元大変なことになってるじゃん。拭いてあげるから動かないで」

「もがもがもが」

「食べない食べない。ハンカチは食べ物じゃないから」

「きっと美味だよ!」

「普通に味の悪い繊維だよ」

「手汗が染み込んだハンカチ……売れそう」

「勝手に売らないでくれる? ほら、ハンカチ離して」

「……くれないの?」

「新品のプレゼントなら考えるけれど、使ってるのはあげられないね。持ってる最近とか違うだろうし、君が具合悪くなってもいけない」

「優しい!」

「いつだって優しくするよ。恋人なんだから」

「そ、そっか」

「君から付き合うっていうのに、照れるんだ?」

「い、いいじゃん、別に! 恥ずかしいことぐらいあたしにもあるよ」

「人間だものね。せっかくだし、なんか歌おうかな」

「聞けるの!?」

「そりゃあカラオケですからね。友情の歌、愛の歌。様々なものが入っておりますゆえ」

「り、リクエストしてもいいかな!?」

「お、乗り気だね。いいよ。たぶんどの歌もいけると思うし」

「じゃ、じゃぁ、これなんてどう思う」

「またど定番の恋の歌だね」

「あたしたちの関係のような歌詞が好きなんだよね」

「ふーん。女性恋愛ものなの?」

「う、うん」

「感じるのは人それぞれだから、否定も肯定もしないよ。感性を大事にするのもまた歌の醍醐味」

「さすが歌の女神さま」

「それはあまり好きじゃないかな。私としてはただ普通に歌ってるだけなんだもの」

「ごめん」

「いいよ。今回は君だけに歌うのだし、女神さまにでもなってあげるよ」

「やったぁ」

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愛の歌 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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