★12月20日 (夕暮れが終わる時④)
そして私はミーニャを見た時、胸がつぶれるような、苦しくなるような、寂しい気持ちになりました。ベンチの上に座るミーニャがお別れを言っているような眼をして見ている気がしたからです。私達はしばらく見つめ合っていました。
心の中で私は呼びかけていました。
――ミーニャ、私のためにずっとこの街にいたの? おじいちゃんはこうも言ってたっけ。ネコは死ぬ前、姿を消すだけじゃなくて、大切な人を守るんだって――
その時、ミーニャが昔よくしていたように、ピョンと私の胸に飛び込んできたのです。私はぎゅっと抱きしめ、ミーニャの温かさを感じました。朝が近付いてくるスピードが急に速くなった気がしました。辺りがどんどん明るくなっていくので。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます