★12月20日 (夕暮れが終わる時④)

 そして私はミーニャを見た時、胸がつぶれるような、苦しくなるような、寂しい気持ちになりました。ベンチの上に座るミーニャがお別れを言っているような眼をして見ている気がしたからです。私達はしばらく見つめ合っていました。


 心の中で私は呼びかけていました。


――ミーニャ、私のためにずっとこの街にいたの? おじいちゃんはこうも言ってたっけ。ネコは死ぬ前、姿を消すだけじゃなくて、大切な人を守るんだって――


 その時、ミーニャが昔よくしていたように、ピョンと私の胸に飛び込んできたのです。私はぎゅっと抱きしめ、ミーニャの温かさを感じました。朝が近付いてくるスピードが急に速くなった気がしました。辺りがどんどん明るくなっていくので。

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