★12月5日  (図書館にて⑤)

「うちのおじいちゃんは言うんです。ミーニャはもう年とったネコだったから、寿命がきたんだよって。ネコは死ぬ前に、飼い主の前から姿を消すんだよって」

 

「それ、聞いた事がある。ネコは死期が近付くと、どこかへ行くって」


 ミノルが言うと、由季もうなずいた。


「ええ。私も子どもの頃、大人からそう聞いたわ」


「でもね、私にとってはミーニャが私を助けて身代わりになってくれたって気がしてならないんです」


 

 少し間があって、二人は訊いた。


「で、図書館通いとは、どういう関係があるんだ?」


「私も聞きたい。 もしかしてあの林が関係あるの?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る