可愛い女子高生とバーチャルじゃないギャルゲーを俺がするの!?
「おい、クソ真面目くん、
ええっ!? ラブコメの無自覚系主人公ばりの、俺の難聴な耳がよく聞こえなかったけど、いまどっきん
「そうだな、恵令奈の胸を揉ませてやる条件は、くそ真面目くんを主人公にしてリアルなギャルゲーをやろうぜ」
「なっ……!?」
俺、
俺と茜の通う県立中総高校の美人教師、どっきん真奈美先生こと、ドーキンズ真奈美先生は新任教師で、ロリ顔に巨乳、いや童貞殺しの魔乳と言っても過言ではないおっぱいの持ち主だ。俺も幼馴染の茜がいなかったら真奈美先生の魅力にイチコロだったに違いない。
真奈美先生に顔だけでなく、おっぱいまでうりふたつな妹、ギャル系女子高生の恵令奈が出した条件の意味がまだ理解出来ずにいたんだ。
「おっとギャルゲーお約束のエピコレ追加がまだだったな。んっ、んっ へー、ハー、チェックワンツー!! よしっ、モードチェンジ来たコレ!!」
……いったい彼女はどうしちゃったんだ!? ギャルなのに不思議ちゃんなのぉ!! はっ!? あの音響テストの掛け声はもしかして……。
神ギャルゲー【ときめぐり愛しトゥルーラブ】のヒロインのひとり、
「……や、野獣院君、学校で噂になると恥ずかしいから恵令奈と並んで一緒に帰るのは、あの鈍色橋を越えてからにしない。 えっ!? なぜあの橋を越えてからなんだって、そ、それは、あなたと初めて手を繋いだ想い出の場所だから」
く、くはああっ!? か、可愛い……。上目つかいに潤んだ瞳で見つめられるとまさに昇天しちゃいそうなほどキュートだ。そ、それに鈴の音のようなミラクルボイスが、先ほどまでの粗野な口ぶりではなく声色まで可愛い女の子風に変わって、ギャルゲーの正統派ヒロインさながらだ!! 彼女は本当に今どきのギャルなのか……!?
「……ねえ、野獣院君は恵令奈の自己紹介をまだ覚えている? うん、そうだよ、あの伝説の柿の木。その下で私はまだ見ぬ王子様を待っていたの、
こ、これはあああっ!? 反則級の可愛さに悶絶死寸前だっ!!
「え、恵令奈ちゃん、俺、君のことが、ずぅっと好き……」
「えっ!? 風が強くてよく聞こえない、もっと恵令奈のそばに来て……」
「……こ、このくらい」「もっと!!」「このくらい!?」「もっと……」
「このくらい!!」「もっ……」「きゃっ『つかまえた!!』!?」
「恵令奈と野獣院君のお顔が近いよ……」
「「……」」
「ねえ、野獣院君、恵令奈とキス、しよっか!?」
ちゅっ♡
おわあああっ!! 唇ではないがいきなりほっぺにキスだと!?
とろけるような柔らかい恵令奈の口唇はまるで小鳥がついばむように俺の頬をやさしく捉えた。
どうせお約束のラブコメ展開なら最後にストップとか言われて、鼻の下と唇をたこちゅうみたいに伸ばした俺の顔面に強烈なパンチが入るとばかり思っていた……。
「……おい、クソ真面目くん 何、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してんだよ。あ、まさかキスで驚いてんのか。こんなのは挨拶代わりだよ、親愛の印さ。やっぱりクソ童貞はウブでかなわないな。十七年間、守り通した漢の操だか何だか知らねーけど、とっとと燃えないゴミにでも出したほうがいいんじゃね?」
「……ああ、そうかもしれないな、俺なんて無価値だし、正直嫌になっていたんだ、今までのことも、今回の親の再婚のことでもさ、蚊帳の外にされてのけ者扱いだ、挙げ句にずっと片想いしていた幼馴染も義理の妹になっちまうし……。いいことなんか今の俺には何にもないよ!!」
「……おい、真面目くん」
あれっ!? 俺の呼び名からクソが取れたぞ……。
でもそんなことを聞ける雰囲気じゃない、彼女の端正な顔が怒りに彩られていることは誰の目にも明らかだったから。
「……何にもないなんて気安く口にすんな!! 誰か肝心な人を忘れてるんじゃないのか、テメーはよ……。同じ【ときめぐトゥラブ】好きだから、ちょっとは女の子の気持ちが分かっているのかと勘違いした恵令奈の目が節穴だったよ。真奈美お
恵令奈の怒りの理由の半分は理解出来るが、肝心な人とか、世間が狭いとか断片的なキーワードの意味が分からない……。
「き、君の言っている意味が分からない!? いったい俺に何をさせたいんだ。さっきもリアルなギャルゲーの主人公をやるのが条件だとか、謎過ぎるんだよ……」
「ああん、真面目くん、またお得意の逆ギレかぁ!? じゃあ教えてやんよ!! コウモリみたいに二人の幼馴染の間を行ったり来たりしているクソ野郎に恵令奈が、恋の手ほどきをリアルで叩き込んでやりたいんだ!! 神ギャルゲー【ときめぐトゥラブ】仕込みのヒロイン攻略法を……」
何だって!? ギャルゲー仕込みの攻略法を使うって、それに何で俺の幼馴染である茜と乙歌のことを知っているんだ!!
「何で恵令奈がお前の恋愛事情を知っているのか? って顔をしているな。真奈美お姉の名誉のために言っておくが、お前の個人情報をリークしたりはしてねえよ。世間が狭いって言ったのがその
俺は彼女の着るセーラー服を見て、とんでもないことに気が付いてしまった。
「……
「よく聞けよ、野獣院零、お前の大切なもうひとりの幼馴染、
次回に続く。
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