【学級通信】幼馴染との秘密の個人レッスン再開のお知らせ。

「れ、零ちん……!?」


「あ、茜、お前、家に帰っていたのか!? そ、その身体は元気なのか……」


 予期せぬ突然の出会いに俺はしどろもどろになる。自分でも何を口走っているのか分からない、まさか茜がいきなり玄関先にいるとは思わなかったから。


 久しぶりに見る彼女はやっぱり可愛い、こころなしか少し痩せた気がする。

 心配になって、俺はもう一度まじまじと茜の姿を見つめ直した。


 ……前言撤回する。


 やっぱり無自覚なたわわ。そのわがままボディーのおっぱいは健在だ。

 いやちょっと待てよ!! 以前よりもさらに大きくなっているかもしれない。

 この豊満なおっぱいを、俺の手でむにゅむにゅしちゃったなんて今でも夢みたいだな。あれは本当に現実に起こったことなのだろうか!? 


 実はキングオブ童貞の作り出した妄想の産物だったんじゃないのか。


 もう一度あの夜、俺が茜から受けた夜の個人レッスンを、ご自慢の妄想コンピューターで追想する。


 幼馴染のたわわは危険な香り。

 ここは百年戦争が産み落とした惑星メ◯キアのソドムの市。

 可愛い幼馴染の身体に染みついた柑橘系の香りに惹かれて、

 危険な奴らが集まってくる。

 次回「おっぱい」。

 零ちんの揉む幼馴染のおっぱいは甘い。



 *******



『零、何を勘違いしてるの、今からやる練習は二人三脚じゃないよ……』


 えっ、何を言ってんの、茜、またぽんこつ可愛い幼馴染モードなの!?


『二人三脚じゃなくて、練習するのは二人羽織ににんばおりだよ、零。競技に必要な一心同体の動作を高めるには最高だって有名なスポーツトレーナーも提唱してるんだよ!! さっ、運動会での優勝に向けて個人レッスンを開始しましょ』


 〜〜〜〜〜〜〜

 〜〜〜〜〜〜〜


 むんず!! もにゅ、もにゅ♡


 何かに俺の手のひらが触れた。んっ!? このたわわな感触はいったい何なの? もみもみもみ、おおっ!? 両方の手のひらがまるで磁石のごとく吸い付いて離れなくなるこの感触。まさか、こ、この柔らかな感触は。そして俺が抱きしめているのは身体!?


『くふうっ!!』


 次の瞬間、現役女子高生の甘い吐息が俺の耳に流れ込んできた。


 そして俺は大変なことに気がついてしまった。茜の言っていた二人三脚ではなく二人羽織の意味が!? あの二人一組でやる宴会芸のことだ。片方が目隠しして背後から。


 あれっ、目隠し状態って今の俺の姿じゃないか!?


『んっ、れ、零、触るのはそこじゃないよぉ……』


 吐息まじりの茜の声が、俺の顔の間近から聞こえる。


 完全に自分の状況を理解した。


 おわあっ!? 俺は幼馴染みの可憐な女子高生を背後から抱きしめているんだ。


 目隠しして、この両手で!!


 に、二人羽織の個人レッスンという名目で!!


 茜のたわわをしちゃっているんだ……。



 *******



「……零ちん、茜、何から話したらいいのか分からないよ」


 馬鹿な妄想を頭の中で繰り広げていた俺を、茜の言葉が現実に引き戻した。


 中の人などいないが余計な心配をしていて、久しぶりのメインヒロイン再登場だからおさらいをしたいと言っているのが俺の脳裏に聞こえた気がしたんだ、よいこの諸君は特に気にしないで欲しい!!


「茜、今は何も言わなくていいよ。黙って俺の話を聞いて貰いたいんだ。まずお前に謝らなければならないことがある。それはお前と香坂俊こうさかしゅんが付き合っていると勝手に勘違いして嫉妬の炎に身を焦がし、挙句の果てに自分探しの旅に出掛けていた愚かな俺についてだ。そして……」


「零ちん、それ以上は言わないで!!」


 ……これまでの懺悔を始めた俺の言葉は途中でさえぎられた。


「茜、どうして……」


「零ちんが私と香坂くんの仲を勘違いして、駅から急にいなくなったのは乙歌ちゃんから聞いてもう知っているよ。それに本当に謝らなければならないのは茜のほうが先だから……」


 茜はその大きな目に涙を浮かべていた。必死でこらえていたんだろう。あのモニターツアーの旅行の一日目に、宿泊先のホテルで秘密の個人レッスン合宿を繰り広げる前の柔軟体操として、お風呂でおっぱいの挟み撃ち攻撃にあって俺は悶絶死寸前だった。

 俺に厳しいカリキュラムを用意して、攻め立てると豪語していた美馬教官だったのに、なぜ急にお風呂場から姿を消して行方不明になったんだ!?


 ……あの日みた茜の競泳水着越しのおっぱいを俺はまだむにゅむにゅしていない。


「零ちん、玄関前で立ち話も何だから茜の部屋で話そうか。今日はお母さんもしばらく帰ってこない予定だから……」


 茜の言葉を聞いて俺の胸が激しくうずいた。いや身体中だ、頭のてっぺんからつま先、それだけではない先端という先端が瞬時に反応した。


「もしもまだ零ちんに許して貰えるなら、話の続きを茜の部屋で再開してもいいですか?」


 大切な幼馴染ともう一度、俺は以前と同じ関係を再開出来るのだろうか……。



 次回に続く。

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