ふたりの幼馴染と秘密のお泊りで混浴だと!?。

「零ちん、そんなところで突っ立っていないで湯船に入ったら♡」


「零お兄ちゃん、茜さんのいう通りです。乙歌おとかがもう少し詰めれば湯船に入れますから♡」


 どうして宿泊先の露天風呂付き客室で俺はこんなことになってしまったのか……!?


 ふたりの美少女から甘いささやきで混浴に誘われるなんて、ラブコメならめちゃくちゃラッキースケベなシチュエーションなんだが俺の気持ちはとても複雑だった……。


 なぜなら美馬茜みまあかね香坂乙歌こうさかおとかは、どちらも甲乙こうおつつけがたい俺の大好きな幼馴染みだからだ。

 まさか接点の少ない二人が短時間で意気投合してしまうなんて夢にも思わなかった……。


 もともと乙歌はハンドボールの選手として茜に憧れているのは知っている。

 だから自己を高める為に夜の個人レッスン参加を強く希望していたんだ。

 俺は彼女と縁の深い君更津総合病院の病室で、何でもお願いを聞く券という安請け合いをしてしまったことをいまさらながら後悔した……。


 旅行前に茜には乙歌の件を伝えた。もちろん俺の心の中ではずる賢い打算があり、夜の個人レッスンにはハンドボールのライバル校に在籍する乙歌を参加させるわけがないと踏んだんだ。


 だが俺は肝心なことをすっかり忘れていた。茜が生粋きっすいの世話焼き気質だと言うことを……。


「零ちん、もしかして怒ってるのかな? 乙歌ちゃんのことを内緒にしていたから」


「零お兄ちゃん、本当にごめんなさい。せっかくの旅行に私はお邪魔でしたよね……」


 乙歌のとても悲しそうな表情を見た瞬間、俺は親父の言葉を思い出した。


『人を恋することは理屈じゃない、頭じゃなくおちんちんで考えろ。その女の子をみて玉キュンするかだ!!』


 俺はうつむいていた顔を上げ、しっかりと目の前の光景を見すえた。


 茜は競泳用水着を着用していて、ハンドボールで鍛えた身体のラインがくっきりと浮き出て逆に裸よりもエロく感じる。たわわなおっぱいを湯船のふちに乗せるそのしぐさは天然なのか!?

 そうでなければ童貞を殺すすべを知っている恐ろしい無自覚系幼馴染みだ……。


 乙歌はスクール水着だと!? ふうっ、ふうっ!! これは予想外だ。

 俺の入るスペースを空ける為か、立ち上がった際に濡れた身体にぴったりと張り付くスクール水着のテカリに思わず目を奪われた。

 控えめだが形の良いおっぱいのラインが、香坂と書かれた白いゼッケンを、

 押し上げていた。


 無自覚妹系幼馴染み萌え……。 俺の中の新しい性癖の扉がパカパカと空いてしまいそうだ!!


 頭にのぼっていた血流がに集中するのが痛いほど感じられた。


 ううっ……!?


 ティンティロリン!!


 毎度お騒がせなが爆走ドーベルマン〇事状態になった音だ。俺は広い露天風呂に効果音が響いた気分になってしまった。


 お、親父、これが玉キュンなんだな!? 前を隠したタオルが持ち上がるほどの勢いだ。


 ……俺はこの状況に置かれてやっと理解することが出来た。


 若きウェルテルか、はたまたハムレットか、今までの俺は恋にウジウジと悩むのが高尚こうしょうだと思い込んでいた。

 そうだ、昔から厨二病全開だった俺はそんな悩む自分が大好きだったんだ……。


 親父が家の風呂場での裸の付き合いで俺に言いたかったことは、ウジウジ悩んでいる間にチャンスは逃げてしまう。悩むくらいならすぐに行動しろ!! 結果は後からついてくる。


 ……俺は野獣になる、そしていつの日か大好きな女の子を全力で愛するんだ!!



「零ちん、早くぅ♡」


「零お兄ちゃん、早く♡」



「よし、二人とも待ってろよ!!」


 ざぶ~~ん!!


 洗い場で冷え切った俺の身体を暖かい湯船が迎えてくれ……て。


 ちがう、この身体に感じるむにゅむにゅした感触は!?


 湯けむりでよく見えないけど……!?



「零ちんの身体、冷え切っていて冷たすぎだよ、茜の肌で暖めてあげよっか?」


「零お兄ちゃん、もっと暖まらないと風邪引いちゃいます……。もっと乙歌の近くに寄ってください!!」


 むにゅう、もにゅ、もにゅ♡


 むにゅう、もにゅ、もにゅ♡


 ああああっ!? ステレオみたいに左右から挟み撃ちィ!!

 ダブルおっぱいのおしくらまんじゅう……。俺の脇腹に当たっているこの感触は

 水着越しにおっぱいの先っぽがぐいぐい来てるんだ!!

 こ、心が震えちゃう!! 心だけじゃなく腰に巻いたタオルがのれんに腕押しならぬ、押し状態だ!! ヤバい俺のがタオルからコンニチワしちゃうよぉ!!


「はあ、はあ、零ちん、そろそろ暖まってきた?」


「ふう、ふう、乙歌、零お兄ちゃんの為なら何でも頑張ります……」


 上気した二人の熱い吐息が俺の耳に左右から吹きかけられる。

 これはお湯の熱さだけでない、何だか頭がクラクラする。お風呂じゃなく

 甘えたがりの可愛い幼馴染からのサンドウィッチ攻撃にのぼせてしまった……。


「零ちんにはゆっくりお風呂で身体をほぐして貰うよ!! これから夜の個人レッスン開幕だから♡ そうそう乙歌ちゃんも覚悟しといてね、私のカリキュラムは厳しいから!!」


「はい美馬教官、よろしくお願いします!!」


 夜の大運動会の幕はこうして切って落とされた……。



 もうどうにもとまらない次回に続く!!




 ☆☆☆お礼とお願い☆☆☆


 ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。


 少しでも面白かった、続きが気になると思って頂けたら、


【☆☆☆評価】【作品フォロー】をして頂けるとすごく嬉しいです。


 皆様からの★応援が作者のむにゅむにゅな場面を


 執筆するモチベーションにつながります。


 ※正直なところ作者は打たれ弱い豆腐メンタルですので、

 今回の反応が悪かったら展開や連載も見直そうかと考えております。


 何卒応援の程よろしくお願いします<(_ _)>


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