幼馴染の個人レッスン やすみじかん、そのに

「……どうしよっかな、高校生じゃ二人でホテルにお泊まりなんて絶対に無理だし」


 えっ茜と外泊!! ラブホとか? 興奮で零ちん、どうにかなりそう……。


「今、零ちんがえっちな妄想をしているのは茜、全部お見通しだよ。そういう場所に十八歳未満は入ったら駄目なんだから。それに万が一誰かに見られたら大学への推薦も取り消されちゃう」


 鼻血を出しそうな勢いの俺を見て茜はあきれ顔で諭すように言った。

 そうだ、俺達の目指す同じ大学に行くこと、それが全部台無しになってしまうリスクがあるのか。


「う~ん、困ったな……」


「本当に困ったね……」


 俺達はお互いの顔を見合わせてしまう、早くも暗礁に乗り上げてしまったようだ。


「そうだ、どっきん真奈美先生に相談してみようか!! 先生なら私たちに協力してくれるかもしれない……」


「真奈美先生なら茜に体育祭の裏情報をこっそり教えてくれたし、今回の個人レッスンの経緯を話せば何とかなるかもしれない!!」


 どっきん真奈美先生とは俺達の担任で新任教師、ロリ顔に巨乳、いや童貞殺しの

 魔乳と言っても過言ではないおっぱいの持ち主だ。俺も幼馴染の茜がいなかったら真奈美先生の魅力にイチコロだったに違いない。


「じゃあ授業の前に真奈美先生に相談してみるから、私は先に部活動に行くね!!」


「茜、何とか上手くいくようによろしく頼むぜ!!」


 どっきん真奈美先生は茜の所属するハンドボール部の顧問だ。

 善は急げと一足、先に茜が駅に向かって駆け出すのを俺は見送った。


 そしてスマホの時計に視線を落とした。

 茜より一本遅い電車でも学校に遅刻はしなさそうだ。俺は何だか全てが上手くいくような気分だった。今朝は天気も良く澄んだ朝の空気感がとても心地よい。


 幼馴染みとの秘密の個人レッスン二日目か……。

 俺は茜のたわわなEカップおっぱいを思い浮かべ辛抱たまらん状態になってしまった。この世の春とは今の俺のことかもしれない。


 後で思えばその直後、地獄に落とされるとはつゆ知らず、呑気に俺は深呼吸をしていたんだ……。


 駅前のロータリーに差し掛かり、横断歩道で青信号になるのを待った。

 目の前には交番があり、若いお巡りさんが立っているのが視界に入ってくる。

通学時間帯はいつも俺達を見守ってくれているんだよな。お巡りさん、本当にお勤めご苦労様です!!


 ……警察と言えば先日、茜が言っていたことをふと思い出した。


「最近、駅前で女子高生ばかりを狙った痴漢が出没するらしいの。隣のクラスでも被害にあった女の子がいるみたい。だからお巡りさんも駅前に立って監視を強化してるんだって……」


 女子高生に痴漢かぁ、よくもまあこんな人通りの多い場所で変態行為を出来るよな。

 俺は二人羽織の練習にかこつけて幼馴染みの女子高生に痴漢行為より、もっとエロいことをしちゃっているのに、それは棚に上げて偉そうなことを思い浮かべていた。


 こんなに調子に乗っていたら、俺、いつか天罰が下るな……。


 そんな風に考えていると、ふと良い香りが漂っていることに気がついた。

 茜の香水とも違う石鹸の香り、誘われるまま隣に視線を向けると、そこにはセーラー服の女の子がたたずんでいた。

 この制服は確か近隣にある女子校だったな。君更津南女子きみさらずみなみじょし、通称、南女なんじょだ。


 ……君更津南女子高校、この辺りでは有名なお嬢様高校だ。

 近くにある共学の進学校と同じ位、偏差値は高く、その上、スポーツ振興にも盛んな女子校だ。

 何より可愛い娘が多く在籍することで、この界隈の男子からは常に憧れの的だ。だが男子禁制の校風も強く普段から教員、父兄以外の男性は出入りする事は不可能だと聞いている。年間で唯一のチャンスである文化祭も在校する女子生徒からの招待状が無いと入場することは不可能なんだ……。


 そんな乙女の花園の制服を着た美少女。俺はその清楚な立ち姿に思わず見惚れてしまった。

 セーラーカラーの襟元を走る白い三本の線、その白線が途中で途切れているのが特徴的だ。だけどそのことよりも俺が目を奪われたのは可愛い制服だけではない。

 背丈は低いがスカートからすらりと伸びた長い足、鞄をもつ華奢きゃしゃな腕、そして胸元まで伸びた黒髪。窮屈そうに制服を押し上げる胸の曲線に沿って流れる、その艶やかな毛先がとても美しい。


 そんな俺の視線に気が付いたのか少女が小ぶりな顔をこちらに向ける。

 黒目がちの大きな瞳が印象的だ。にっこりと微笑みながら彼女はこう呟いた。


「……野獣院零やじゅういんれいさんですよね」


 何でこの子は俺の名前を知っているんだ!?


「あなたに恨みはないけど、本当にごめんなさい……」


「な……!?」


 少女がいきなりこちらの腕を掴んできた。華奢きゃしゃな見た目からは想像出来ない強い力で、彼女は自分の身体に向かって思い切り俺を引き寄せた。


 不意を突かれた俺はたまらずよろめいてしまった。

 どさり、音を立てながら駅前の道路に少女ともつれ合いながら倒れこんでしまう。

 ちょうど俺は少女に覆い被さる体勢になってしまった。彼女の制服越しの柔らかさがこちらの身体に伝わってくる。


「い、いやああああっ!!」


 金切り声を上げるセーラー服の美少女。


 制服のスカートが転んだ拍子に乱れて白い清楚な下着があらわになる。普段は隠されていて絶体に見ることの出来ない少女の下腹部、大問題なのは俺の指が女の子の太ももの付け根、白い下着の掛かるなだらかな曲線に差し込まれていることだ。

 そうだ、可愛い女子高生のおぱんつの中に俺は指を突っ込んでいる状態なんだ!!

 キングオブ童貞の俺はもちろん女性のそんな場所に指を突っ込んだ経験はない。吸い付くような暖かい肌の感触と、肌ではないに俺の指先が触れた。


 お、おわあっ、この感触はまさかのアレ!?


「こ、この人、痴漢です!! 誰か助けて!!」



 次回に続くってばよ!!

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