幼馴染の個人レッスン やすみじかん。
『
――
俺はまるで夢を見ているような気分だった。幼馴染みに触れた感触がまだ手のひらに残っていることで昨夜の出来事が夢ではない何よりの証拠だった。
自室で抱き枕を抱えながら、ひとりベットで悶々としてしまう。なぜなら今朝も茜と一緒に登校しなければならないからだ。
たわわなEカップおっぱいを体育祭での完全優勝を目指す為とはいえ、えっちな二人羽織でむにゅむにゅしちゃったんだから、きっと茜と顔を合わせたら嫌でも意識してしまうだろう……。
ピンポーン!!
はやっ!? もう茜が玄関に迎えに来たぞ。零ちんはまだ心の準備が出来てないよ!!
「零ちん遅いぞ!! いつも言ってるでしょ。五分前行動が基本だよ」
ズコーッ!!
まったく平常運転な茜の姿を見て、思わず俺は玄関先で転けてしまった……。
俺が盛大に転けた物音にリビングから心配して親父が出て来た。
「零、朝っぱらから何をやってんだ!? おっ、茜ちゃんおはよう、いつ見ても美人だね、やっぱりお母さんに似て美人なのは遺伝かな……」
「やだぁ、零のお父さんったら茜にお世辞を言ったって何も出ませんよ!! でもウチのお母さんは美人って言われたらめちゃくちゃ喜ぶと思います……」
「えっ、
「お、親父!! 早く行かなきゃ学校に遅刻しちゃうから……」
俺の親父、
茜の母親、
秋恵さんもご主人に先立たれてシングルなところまでウチの親父と一緒なのは、何だか不思議な
同じ境遇だからなのかもしれないが、親父は俺の子育てで悩んだときには良く秋恵さんに相談しているとこっそり俺に茜が教えてくれた。
「おっ、悪い悪い、じゃあ茜ちゃん、ぼんくら息子を、どうぞよろちくびね!!」
「達也お
はあぁ、茜が俺にともだ◯んこを喰らわすのも、この馬鹿親父の影響なんだよな。
子供の頃、俺や茜は親父にこの言葉を吹き込まれたんだ。
俺よりも茜がすっかり夢中になって真似したんだよな。そう言えば親父が秋恵さんに当時こっぴどく叱られたのも茜が家で秋恵さんに質問したんだよな。
ともだち◯こを自分もやりたいけど、なぜ私にはち◯こが付いてないの? って。
「じゃあ、行ってきます!!」
駅までの通学路、いつものように茜と並んで歩くが俺はまだ昨夜のことを強烈に意識してしまう。そんな俺を横目に茜はいつもと変わらない様子に見えた。
俺は無性に恥ずかしくなって、自分から切り出してしまった。
「茜、昨日の件なんだけど……」
「んっ、何の話だっけ? 茜ね、最近とても物忘れが激しいんだ……」
わざとやってんのかって思うほど俺の前だけポンコツだよな、茜ちゃんは。
「お前の言った恋人の予行練習って、彼氏のフリでもするのかよ……」
「そっか。零ちんとデートとか良いかもね……。 とっても楽しみだな♡」
「何だよ茜、実際は何も決めていないんじゃないのか?」
「……そっ、そんなことないよ、二人三脚の個人レッスンと同じくらい綿密な計画を立ててるに決まってんでしょ……」
茜の目が完全に泳いでいる、昔から嘘が下手なヤツだ。
「それに俺は忘れていないぞ、おっぱい枕でうやむやにされたけど、二人羽織の勝負と、それに勝てたら約束の制服プレイがまだおあずけのままだ!!」
俺は自分の
まるで少年ジ〇ンプ で血の涙を流した爆走ドーベルマン刑事のごとく。
恥も外聞もなく茜にご褒美をねだる俺がまさに『このド外道が~~~!!』状態だ。
「もうっ、零ちんって、えっちなことだけは忘れないんだからぁ。大丈夫、武士に二言はないから、まあ茜はお侍さんじゃないけどね……。でも次の個人レッスンの開催場所で実は悩んでるんだ。昨日はお母さんがたまたま不在だったからウチで良かったけど」
茜が困った表情を見せる。よくよく考えなくても言われてみればそうだな。
いくら幼馴染みの俺と茜でも部屋で同じ
『に、二人羽織の個人レッスン中ですっ!!』
と言っても茜の母親にはとても通用しないだろう。
そうだ!! 俺の家はどうだ? 瞬間的に俺は親父の顔を思い浮かべた。
それと同時に思い出したくない黒歴史な記憶も脳裏に蘇ってきた。
「零、また喧嘩をしたのか。なにっ、自分の名前でからかわれただと!? 素晴らしい名前じゃないか、
駄目だ、ウチじゃあ親父がいるから余計ややこしいことになるぞ……。
俺は頭を抱えてしまった。昔から性教育にはオープンすぎる父親を持つ子供の苦悩、俺が女性に奥手になったのもこの親父の性教育の弊害が強い。
恥じらいや萌えとはまったく無縁の世界。俺の大好きなラブコメと真逆にある洋物ポルノ。
カモーン!! アウチ!! オーマイガッ!! 今でもその獣のようなあえぎ声が俺の最大級のトラウマなんだ。
「……どうしよっかな、高校生じゃ二人でホテルにお泊まりなんて絶対に無理だし」
えっ、茜と外泊ってラブホとか!? 零ちん興奮でどうにかなっちゃいそう……。
さらに怒涛の次回に続く!!
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