幼馴染の個人レッスン四限目

「零ちん、特別に二番勝負のお題を教えてあげる。生クリームたっぷりないちごのホールケーキだよ。とっても美味しそうでしょ!!」


 ――俺、野獣院零やじゅういんれいは動揺の色を隠せなかった。


最初のお題、ふにっこのお豆さんに続いて二人羽織ににんばおり定番の食材、生クリームたっぷりのケーキが次のお題なのか!? 普通に美味しそうないちごのホールケーキだ。


 俺の可愛い幼馴染み、美馬茜みまあかねは学園一の美少女で本人がそれを自覚していないのが俺にはいつも悩みの種なんだ。

その悩みの理由わけは清楚系のルックスだけではなく、セーラーブレザーの制服に隠されたEカップの巨乳についてもまったく無自覚なところにある。いつもまわりの男どもから好奇の視線にさらされているんだ。

俺はそれが許せなくて、いつしか勝手にいやらしい視線をさえぎる盾代わりの役目を担っていた。


 そして茜は基本的に薄いメイクしかしないが、それだけでも際立つ透明感のある美貌、いつも隣で並んで歩く俺も思わず見蕩れるほどだ。

良く放課後、買い物に付き合わされる近所の大型ショッピングモールでも芸能プロのスカウトから声を掛けられることも日常茶飯事だ。

 でも茜は芸能界にまったく興味がないから、名刺も貰わずに全部断っている。

俺は高校の同級生だけではなく、こういう輩からも茜を守らなければならないんだ。


 ま、まあスカウトマン達の気持ちも理解出来る。透明感のあるルックスと相まって、さっき俺がむにゅむにゅしたEカップおっぱいとのギャップ萌えがもの凄いからだ……。


 清楚系の顔の下には、たわわな果実が隠されているんだから。


 そんな禁断の果実を体育祭の二人三脚で優勝を目指す個人レッスンの為とは言え、俺は揉んだり摘まんだりしてしまった。

さすがに吸ったまで到達していないが、この後も理性が飛ばないよう、じゅうぶんに気を付けなければ……。


 一度掴んだら、まるで磁石のごとく両方の手のひらが吸い付いて離せなくなる。

むにゅむにゅとした柔らかな感触。そんな美乳、いや、俺にとっては童貞殺しの魔乳なんだ。


「お豆さんの勝負を続行しようか。そうだ零、知ってる? 今日十月十三日は豆の日なんだよ!!」


 えっ!? なんという偶然だろう。お豆さん勝負をしている今日が記念日なの!? これは幸運の神様が俺に味方している証拠かもしれないな。幸先がいいのはうれしい限りだ。


「でも次はちゃんと本物のお豆さんを摘まんでね。えっちな零ちん!!」


「わ、分かってるよ。茜のお豆さんの位置に注意すれば、もう間違えて摘まんだりはしないから」


「うん、零ちん、気をつけてね。女の子の身体にはいろんなお豆さんがあるんだから」


 えっ!? おっぱい以外にお豆さんって茜の身体のどこにあるんだ。


「茜、お豆さんって上半身にしかないだろ。いろんなって何だよ?」



「え、ええっと、どこって言われても女の子の身体には色々変化する部分があるの。もうっ、零ちんのいじわるっ!! 茜、恥ずかしくてそんなこと詳しく言えないよ……」


 俺の素朴な疑問に真っ赤になって照れまくる茜の表情。めちゃくちゃ可愛いんだけど。


「じゃあ、ヒントをくれよ。これから始める勝負で先程のおっぱいみたいに、うっかり箸で摘まんじゃう恐れがあるからな」


「ううっ、それもそうだね……。じゃあヒントだけ出しちゃうよ。

普段はかくれんぼしていてるんだけど、お風呂やおトイレでは綺麗にしなきゃいけないものってなーんだ?」


 何だ、いきなりなぞなぞか、小学生みたいだな……。

普段は欠点が見当たらない茜が俺にだけ見せてくれる素顔、このぽんこつカワイイところだ。いつも全力で癒やされるぜ!!


 よし!! 望むところだ。なぞなぞに挑戦するか。


 おっぱい以外でお豆さん? そして普段はかくれんぼ。でもお風呂やトイレで綺麗にする? うーん……。


 俺の脳内で想像上の一休さんが、お供であるケツあごの新右門さんと一緒に悩み始めた。

またもや僧侶モード突入だ。ポクポク、零チーーン。よしっ、頓智とんちひらめいたぞ!!


「正解はおちんちん!!」


「スケベ!! 変態!! そもそも茜に、お、お、ち、駄目っ、とても言えない……。そんなもの最初から付いてないし。それに答えの中にどこにも掛かっていないから!!」


 俺は最初から答えを分かっていたが、あえて不正解にしたんだ……。 策士だろ。


「だってぇ子供の頃、茜もいっしょにお風呂に入ったときにも言われただろ。あそこは念入りによく洗えって。俺は親父にお風呂だけじゃなくトイレでおしっこするときも不潔にするなってさ……」


「零ちんのことなんかもう知らないんだから!! このお豆さん勝負の前に疲れただろうからレッスンの裏オプションを特別にやらせてあげようと思ってたのに……」


 えっ、レッスンの裏オプションって!? とてもエロい響きだ。これは茜のご機嫌をとっておかなければならないぞ。


「茜、本当にごめん、俺が悪乗りしすぎたんだ。なぞなぞの答えは最初から見当が付いていたんだ。答えはアレだろ、おちんちんじゃなくて女の子にあるモノ。さあ皆さん、ご一緒に!! さん、はいっ、くりっ!!」


「あああっ、わかったから最後まで言っちゃ駄目!! 裏オプションを零ちんに選ばせてあげるから……」


 よしっ、汚い手を使ったけどこれで裏オプゲットだぜ!!


 茜は恥ずかしそうな仕草で服の襟元に手を差し込んだ。そしてたわわなEカップおっぱいの谷間から紙を取り出した。

おいおい、とんでもない場所に紙を隠してあったんだな。お前のおっぱいは紙挟みのバインダー替わりなのか!?


「はいっ!! あかねの裏オプションだよ♡」


 俺は手渡されたメニュー表のトップに書かれた単語パワーワードに、一瞬で目が釘付けにされてしまった。


「……お、おっぱいまくらだと!?」



 次回に続く!! 


 

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