君に出逢って別れる事が分かったから、僕は君の寿命を延ばす!

神石水亞宮類

第1話 君に出逢って別れる事が分かったから、僕は君の寿命を延ばす!




僕は未来から過去に行き、君に会いに来た。

数年前に戻り、一日でも早く君に出逢う為に、、、。

君は病気でね、【余命3か月】と君の担当医の先生に告げられた。

僕はまだ君と籍を入れてないから直接先生から聞く事は出来なかったけど。

君のお母さんから聞いたんだよ。

泣きながら震える声で僕に教えてくれた。

僕も泣きそうになったけど、我慢した。

僕が泣いたら、君はきっと泣けないと知っていたから。

僕は君が居る前でも泣かないよ。

君はいつも笑顔を絶やさないステキな女性だしね。

僕はそんな君からいつも癒されている。




・・・でも? 太陽みたいな君が僕の前から居なくなってしまう事を

僕はまだ受け止められないでいる。

一日でも長く僕は君と一緒に居たいんだ!

どうしたらその願いが叶うのだろう。

毎日寝る時間もないぐらいに、君の事だけを考えていた。

そんな時、僕の前に死神が現れる。



『“お前は、彼女の寿命を延ばして欲しいのか?”』

『・・・えぇ!? し、死神!?』

『あぁ、そうだ!』

『頼む! 僕の寿命を削っていい! だから彼女の命を少しでも長く

生かしてほしんだ!』

『勿論、死神の俺ならそれができる!』

『じゃあ、頼む!』

『彼女の命を伸ばしいてほしいなら、“一つだけ条件がある!”』

『・・・な、なんだ?』

『数年後の過去に戻り、ある男を探してほしい!』

『“ある男って?”』

『それはお前に関係ない話だ! 取りあえず、この写真の男を見つけろ!

タイムリミットもあるから気をつけろよ!』

『“タイムリミットっていつまで?”』

『1週間だ! それ以上はもう無理だ!』

『・・・そ、そんな、それまでその男を見つけられなかったら?』

『“お前の大事な彼女の命はもらう!” さあ、どうする?』

『・・・わ、分かったよ。』

『じゃあ、今から行け!』

『はぁ!? まだ心の準備が出来てないんだけど......。』

『そんなのは俺には関係ない! さあ行け!』


【うわわわーーーーーーーーあああ!!!】






・・・僕が目を開けると? 夜になっており人が通らないような脇道に

立っていた。



『ここは?』


僕の横に、新聞が捨てられていた。

そこには、【20XX年、〇月〇日】と書いてある。

彼女と出逢う数年前に戻って来たのが僕は分かった。

彼女は今は何処に居るんだ?

確か? 僕と出会う前はデザイナーの仕事に就きたいと学校に通って

いた事を彼女から聞いた事がある。

僕は急いで、彼女の通う学校に向かった。



【ドン!】



『すみません、急いでたので気づきませんでしたごめんね。』

『い、いえ、気にしないでください。』

『あぁ!』

『えぇ!?』

『・・・わ、若いな、』

『えぇ!?』

『・・・い、いえ、何処かに行くところだったの?』

『家に帰るところだったんです。』

『そ、そう、じゃあ、またね!』

『・・・じゃあ、またね?』




僕と出会う前の彼女は随分と若く、でもキラキラした笑顔は

何も変わっていなかった。

僕は彼女が元気でいる事が分かってホッとした。

顔色も凄くいい!



・・・後は? 死神に頼まれた写真の男を探すだけだ。

でも? 何の手掛かりもないのに見つかるモノなのか?

僕は探偵を雇い、写真の男を探してもらう事にした。

しかし? 探偵から衝撃的な事を言われる。



『写真の男性を探し出すなら、3ヶ月はかかりますね。』

『えぇ!? 3ヶ月もかかるんですか?』

『いや? もっとかかるかもしれません!』

『・・・そ、そんな、』

『それでも、写真の男性を探し出しますか?』

『・・・い、いえ、結構です! 僕が自力で探し出します。』

『残念です、またご縁があればよろしくお願いします。』

『は、はい、』





まさか!? 3ヶ月なんて! 死神との約束に間に合わないじゃないか!

こうなれば、自分で探し出すしかない!

でも? 手掛かりも何もないのにどうやって探すんだ?

僕は過去の彼女と早く仲良くなるために彼女と偶然を装い近づくことにした。

それと並行に、写真の男も探す事にした。




・・・そんな時、これは偶然なのか?

写真の男が彼女とふたりで仲良く話している姿を見てしまう。

僕は思うわず、彼女に声をかけた。



『何故? この男を知ってるんだい?』

『えぇ!?』

『娘に何か用か?』

『・・・む、“娘?”』

『そう、私のパパよ!』

『パパ? そんな、これは偶然なのか?』

『“この男性は誰だ?”』

『“と、友達かな?”』

『あぁ、はい!』

『そうなのか、娘の事をよろしく頼む!』

『はい!』



ギリギリだった!


既に6週間を切っていた、6週間と半日。


僕は早速、写真の男を見つけた事を死神に伝える。



『よしよし! 良かろう、お前の大事な彼女の寿命を延ばしてやる!』

『ほ、本当か!?』

『あぁ、死神だが嘘はつかない!』

『・・・あ、ありがとう、』

『もう戻ってきていいぞ!』

『あぁ!』




僕が過去から未来に戻って来ると? 彼女は元気になっていた。



『結奈! 病気は治ったのか?』

『そうなの! 私の担当医の先生もビックリしていたわ!』

『・・・お、お父さんは?』

『それがね、急に亡くなってしまって。』

『えぇ!?』

『心臓発作だったらしいって......。』

『・・・そ、そんな!?』




死神は、“僕の大事な彼女の寿命を伸ばしてくれたけど、、、? 

彼女のお父さんがその犠牲になってしまった。”

死神はその事を僕には何も話さなかった。

もし話していたら? 僕は躊躇していただろう。

死神が僕の背中を押す為にも、何も言わないという選択が一番だったと知る。

彼女のお父さんには申し訳ない事をしたが......。

彼女の命が伸びて僕は心の底からホッとしていた。

僕がこれからは、彼女を守って行く決めたから!

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君に出逢って別れる事が分かったから、僕は君の寿命を延ばす! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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