第13話 アラフォー、アイナに新しい武器を

「あら、いらっしゃい。どんなご用かしら?」

「アイナのガンロッドについて聞きたい」

 ロディアに事の次第を話す。すると実弾運用は可能だという。そしてその実弾は私の実弾と共用できるそうだ。

「魔力が使えなくてもガンロッドなら安心よ。言い忘れてごめんなさいね。今持ってるガンロッドならパニッシュメントの弾が使えるわ」

「おおー!」

「それと……これも試作品だけどプレゼントよ」

「わわっ、これは銃口が大きい……こっちはちょっと長い?」

「『キャノンロッド』と『アサルトロッド』よ。キャノンは単発大威力。アサルトは連射が効くわ」

「凄い……でも3本も持つのは大変……」

「ん? アイナ、お主気づいておらんのか? お主もブラックボックスとやら多少使える様になっておるぞ?」

「えっ!? 本当だ……」

「あら、素敵じゃない」

 驚き。まさかブラックボックスまでアイナに影響していたとは。ヴィルベルの指摘がなければ気づけなかった。

「わぁ……凄い……」

 アイナは楽しそうに出し入れしている。収納系はレアだと聞いたことがある。それが使えるのだから嬉しいのだろう。

「それにしても……他人の魔法、しかも異質な魔法を見抜くなんて貴女何者なの?」

「ん、我か? 我はデビルロードドラゴン、ヴィルベルじゃ! 色々あってDの僕じゃよ」

「え……ええっ!?」

 今度はロディアが驚く番。魔界でも屈指の存在なのだ。それを私が従えているなどと誰が思おうか。

「のう、ロディアよ。我もDやアイナが使っているような武器が欲しいのじゃ。何かないかの?」

「デビルロードドラゴンである貴女に相応しい武器はこの店に……はっ! 一つあるわ。みんな、ちょっとこっちに」

 案内された先には魔法陣と大量の武器ボックス。こんなに作っていたのか……

「あった! これよ。『ヘルズゲートデストロイ』」

「おおー! 何やらでっかいのう!」

 出てきたのはヴィルベルの身長を遥かに超えるガトリング。それにあれは背負うタイプのアモベルトケースだ。

「凄い重量感じゃなあ。この身体では大きすぎて持てんのう。浮かせるか」

 ポンッとヴィルベルが手を触れるとふわりとそれは浮いた。

「これはね、とんでもない魔力食いなの。面白半分で作ったはいいけど使える人なんかいなくて。ヴィルベル様なら使いこなせるわ」

「やったのじゃー! 我もカッコいい武器を手に入れたのじゃ!」

「よかったな、ヴィルベル」

 ドラゴン幼女とガトリング。なんとも見た目は不釣り合いだ。

 とにかくも当初の目的は果たせたし、オマケもついてきた。上々だろう。そうだ、今夜は普通のクエストでも受けてみるか。

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